2012.01.16 12:25

 あなたが仮にお弁当屋さんだったとします。どこかにお弁当を売りに行く。そのとき、たいしておいしくないと内心で思っていたら、お弁当は絶対に売れません。本当はもっとおいしいお弁当があるのだけどいまの自分にはこんなのしか作れないし・・・ではお弁当屋さんとして失格です。
 面接試験というのはお弁当ではなく、あなた自身を売りこむ場です。ということは、あなたがあなたの価値を信じていなければ、結果はきわめて厳しいことになるでしょう。

 運よく推薦試験を受けられることになったから受けるだけで、自分なんてたいしたことないから・・・そんな風に考えている人はいませんか? 気づかないうちに売りこむ本人が売りこむ品物をたいしたものではないと思っているケースは、じつは案外あるのです。
 まず、何よりも自己イメージをうんと高めてから喋る内容を考えてください。話す以前にある程度勝負は決まってしまいます。

 仮にーー仮にですよーー本当にあなたがいままで「つまらない」人だったとします。とくに誇るべきものは何もない。勉強でも部活でもその他の活動でも何ら特筆できるものがない。そうだとしても、どうしてそれだけで価値そのものがないのですか? これから活動して価値を作ればいい。将来に向けて大きなスケールで生きていけばいいではないですか。中学時代は蓄積した価値がないように見えても、これから先の長い人生までろくなことはできないと決めつけるのはおかしいですよ。

 目指す高校に入り、先はどういう形をとるのかわかりませんが、とにかく将来は大きく世の中の役にたってやるという視点から考えてみてください。自分が高校を誇りに思うように、高校側にもいつか「あの〇〇さん(くん)はうちの卒業生なんですよ」と誇ってもらえるような人間になってやるぞという強い意志こそ大切だと思います。
 職業ということではないのです。もっと大きな意味で社会のなかで自分が何をできるかということに目を向けてみてください。

 自分には価値がある(あるいは価値をこれから獲得していく)のだから当然推薦で合格する権利があるという気持ちですね。傲慢とはまた違う。いちいち他者に発表する必要はないのですが、自分自身にそう言いきれるような生活に少しでも近づいてほしいと思います。
 喋る内容について考えるのはそのあとです。どんなにりっぱな原稿を用意して喋っても、気持ちがこもっていないとすぐに伝わってしまいますよ。「価値のある人」として生きてください。
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2011.01.21 15:10

 都立高校の推薦入試が近づいてきました。上位校ではそれこそパーフェクトの素内申45を持っていても落ちることがあります。優等生ばかり集まってくるからですね。受験生には落ちても気にせず一般試験で堂々と合格できるように力をつけておきなさいとアドヴァイスしています。実際いままでも、素内申がある程度あっても落ちると気分が悪いのであえて推薦は受けませんという生徒も何人もいました。はじめから一般試験狙いです。

 そうは言っても受ける当日の心構えとしては「落ちて当然、入ったら儲けもの」ではちょっと問題があります。こういうのは男女関係に例えてみるとよくわかるのですが、もしあなたに「だめでもともと、つきあってもらえたら儲けもの」みたいな下心を持ちながら表面上は「真剣に」好きですなどと近寄ってくる人がいたら、どこが「真剣」なんだと何となく腹がたちませんか?

 私はあなたが好きだし、あなたも価値がある私を好きになる。だれが見ても納得できるぐらい私は価値を高める努力をしている・・・そういう強い気持ちがないと長くは続かないものでしょう。
 1990年代、私がZ会進学教室の一講師として採用試験を受けたときもーーとくに面接試験のときに--自分はここに勤めて利益を得るだろうが、私が勤めることで教室にも大きな利益をもたらすことができるという強い暗示を自分にかけて臨んだことを思い出します。

 私を働かせるのはあなたたちのためなのですよということですね。入れてくれたら授業だけでなくトイレ掃除でも何でもしますみたいな気持ちではーー個人的にはトイレ掃除は好きなのですがーーなかなかうまくいかないものです。
 高校受験も「私が入って私以上に得をするのは高校であり世間なのだ。自分はそういう人間として世の中全体のために努力し続けるのだ」という気合いを持ってください。鏡に向かって口に出してご覧なさい。私が合格していちばん利益を受けるのは高校のほうなのだと。恥ずかしがらずにそう信じられるようになってはじめて合格が近づいてくるのですよ。
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2011.01.17 13:24

 都立高校の推薦入試を受ける生徒の面接の練習をやっています。そもそも都立上位校の推薦入試は高い内申を持っていないと合格できないので、面接練習を申し出てくる生徒はみんな真面目で優秀な子ばかりです。ところが実際に練習してみると受け答えに相当の差があります。
 簡単に表現してしまうと大人か子どもかみたいな差ですね。どうしようもない部分もあるので、うまく話を展開できない生徒に対しては傷のないように気をつけて指導します。もっといろいろ話してみなさいと言っても思いつかないので、かえって気の毒です。

 柔軟に喋れる大人の生徒は、たとえば「最近世間で気になった事件は何ですか?」と質問すると事件の名前を挙げ、その事件が自分の人生にどういう知恵や教訓をもたらしたか、あるいはその事件を通して自分はどういう風に生きかたを変えようと思ったか、成長できそうに感じたかということを生き生きと話す。けっして原稿の丸暗記ではありません。ふだんからそういう人間なのですね。面接だけではない。そういう会話をする機会が多いご家庭で育ってきたのでしょう。

 逆に事件名だけをぽんと出して終わってしまう生徒もいます。「必ず感想もつけなさい」とアドヴァイスすると「とてもりっぱだと思いました」「悲惨なことは繰り返してはならないと思いました」で終わってしまう。それはそうでしょうが、自分で考え抜いた感想だとは思われないでしょう。
 嘘をつかせるわけにはいかないですからね。中学時代印象に残った最大のできごとが中3のときの体育祭一日だけという生徒には、もうちょっと持続的な話題も出してごらんよと言います。

 なかにはいるのです。三年間の部活が自分という人間をどれだけ鍛えてくれたか、みんなを統率していくことがどれほど困難で、その困難が結局は自分にとってどんなに幸運だと現在は考えているか、にこやかに語れる中3生というのが必ずしもたくさんではありませんが、いることはいるのです。大人と話すのに不慣れな、ただひたすら真面目という生徒はグループ面接だと圧倒されてしまうかもしれません。

 ただ、そういうのは成長過程とか個性とかいろいろな条件があり、どちらの価値が高いということはありません。中学高校時代の自分だったら「わざと」大人と話さないようにしたと思います。自分の意見を自由に展開できるような愛想のいい優等生連中にアリス・クーパーやT・REXのよさがわかるものかと、むしろ優越感を持っていたぐらいでしたよ。
 人それぞれでいいのです。実力さえつけておけば一般試験の方で合格できます。ただご参考にはなるかなと思い、ちょっと書いておきました。
 
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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