2020.01.16 01:45

 私の知人に冬は顔を合わせるたびに「いつまでも寒くて本当にいやになっちゃうねえ」とあいさつし、夏になると「毎日毎晩暑くて暑くていやになっちゃうねえ」とあいさつされる方がいます。飲み屋さんの顔見知り程度で、深く知っているわけではありません。食品関係の仕事をされているのかな。
 おまけに春は花粉症で桜が咲こうが何だろうが憂鬱そのもので、秋はーー連休でお金がたくさん出ていくからだったかなーー大変憂鬱だとおっしゃっていました。
 
 要するに春夏秋冬ぜんぶ憂鬱になる理由があります。もちろんそう考えるのは自由ですが、面白いのはそうした感想を持つ方がたとえば冬のわりに極端に暖かい日がおとずれても、けっして「今日は素晴らしい天気に恵まれた!」とは感謝しないことです。感謝せずにそれがあたりまえだという顔をしている。
 整理するとこうなります。軽微な理由でも、とにかく1年中理由があって憂鬱な毎日が続く。そしてその理由が消えたせっかくの日には、あたりまえととらえるので感謝の気持ちが湧いてこない。
 
 これでは幸福を感じるタイミングがないですよ。ちょっともったいない生き方で、私なんか寒い季節は寒さそのものを精一杯味わうように心がけています。昨日も東京の朝はけっこう寒くて午前中は小雨が降っていました。先日も書いたようにその中でまだ小さな黄色い葉をつけているイチョウの樹があります。本当に奇跡的な話で、こういう姿をきりっとした空気の中で見られる経験は素晴らしい。
 夏も同じようなものです。おととし新宿の電光掲示板が瞬間的に40℃を超えた日のことなど、幸福な気持ちで鮮明に思い出すことができます。
 
 つまりその人間の視点でしかないということですね。どこを見ているか。同じ東京に暮らす「人間」ですから、寒いも暑いもそれに対する抵抗力もそうは変わらないでしょう。であれば、その感覚を楽しもうという方向から見るか真逆から見るかで、大げさに言えば天国と地獄ほどの差が生じてきます。天国も地獄も心の中にあるとはよく言ったもので、ある人が地獄と感じる状況をある人は天国と認識しているという極端なことも起こりうる。それが人生でしょう。
 
 私は真夏もつねにスーツ姿なので、親しい人間から「汗をかくのにどうして平気でいられるのか」と問われたことがありました。たくさん汗をかいたあとでシャワーを浴びるとすごく気持ちがいいからだと答えたのですが、彼は確かにそうだね、気づかなかったと賛同してくれました。
 真夏に汗をかくからこそふだんの何倍もシャワーが爽快なわけで、現実の不快感でさえよい方向に持っていく想像力を人間は有しています。幸福かどうかはあなたが「いま」幸福を見つける意志を強く持っているか、その想像力を十全に活かせるかにかかっているように思います。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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