2019.11.08 06:13

 俗に言う悪い子というのがいます。たとえばお店にあった何かを黙って持ってくる、身体の不自由な方をからかう、弱い者いじめばかりする、テストでカンニングする。いろいろありますが、行為としてはぜんぶ「悪い」でしょう。ですから、そうした行為に励む子は、とりあえず悪い子であるということになってしまいます。
 ところがご本人はーーあくまでも子どもの場合ですよーー悪いことをしているという自覚がほとんどなかったりします。
 
 だいたいは親しい友だちも一緒にそんなことをしている。誰かをいじめる、スキあらば物をとってくる、協力してカンニングする・・・悪いということに全然気づいていない。気づいていないどころか、部活動の「ノリ」で、あいつはそんなすげーものとってきたのか、よーし、自分だって負けてはいられない、もっと大物を持ってきてギャフンを言わせてやる! などと張り切っていたりします。
 私は自分がそうでしたから、よくわかるのです。事実、問題を起こした子に訊いてみると、皆さん昔の私と同じですね。
 
 悪いことというよりは、いたずらのつもりなのです。これぐらいならいたずらですむだろうという一線がどんどん後退していって、ついにはある種の犯罪でさえいたずらにすぎないという間違った認識を持つにいたるわけです。
 ですから、事件が起きたときに大人の感性で爆発的に叱ってみたところで、相手は、ぽか~ん? ですよ。この人、たかがいたずらに何をエキサイトしているのだろうという感覚ですね。
 
 それは世間では非常にまずいんだよというところからじっくり「語って」あげてください。息子がそろそろ危ない年齢かなというとき、私は先回りして自身の子ども時代の間違った行為を告げたものでした。「悪いことという意識がまったくなく明るい競技感覚でやっていて、バレても友だちと『次は絶対バレないようにやろうぜ』なんて笑い合っていたんだ」と話しました。
 息子はびっくりしていましたが、事実は事実ですし、そういう意識の麻痺のこわさは伝えておいて損はないと思いました。
 
 何か出てきたときはいきなり犯罪者を裁くような冷たい叱り方をなさらず、お前もそういう年齢になったんだなと落ち着いて話してみてください。
 学歴も地位もあるりっぱな大人だって、四六時中脱税だの汚職だの裏金だの隠蔽だのと目を覆うばかりです。おそらく罪悪感もほとんどなかったのだと思いますよ。未熟な小中学生(まあ高校生も入りますかね)が競技感覚に陥りやすいのはむりもないことです。ただ放っておくわけにはいきませんから、じっくり「人間って不思議だね」という根本のところから話し合ってみてください。
 
 
 
Tags :
幼児・小学生
中学生
高校生
高校受験
ソーシャルブックマーク:

プロフィール

プロフィール画像
長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

カレンダー

<<   2019年11月   >>
          01 02
03 04 05 06 07 08 09
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

新着記事

月別アーカイブ