2019.05.11 00:19

 私には落魄願望みたいなものがあり、また実際そうなのかもしれず(自分ではよくわからない)、個人的に過去を振り返ることはあってもそのときどきの仲間と無邪気に騒ぎたいという気持ちはあまりありません。クラス会みたいなものは中学生のときに1回、数年前2次会的なものに1回うかがっただけで、あとはすべて欠席です。
 会費を払っていないからだと思いますが、いまは小中高大とクラス会が実施されているかどうかもわからない状態で、まあこれはこれでいいでしょう。
 
 ひとりで思い出すことはときどきあるのです。とくに高校時代。私はいろいろな意味で浮いていたと思います。真面目ではなかったですが、ふざけているわけでもなかった。友だちはそれなりにできましたが、とにかく男子校の空気は苦手でした。自分にはまだ女子校のほうが向いていた(もちろん不可能ですが)のではないかと思いますよ。
 高校1年生のとき、教室が4階になりました。私は希望して、最後尾の窓際の席につかせてもらいました。校舎は高台にありましたし、当時はビルも少なかったので見晴らしがとてもよかった。
 
 遠くに高速道路が見えました。向かいにマンションが建っていた。「まんしょん何々」とひらがなのポップな字体で書かれている。そのことを非常に面白く思った。あまりにもポップな字体なので、まんしょんの部分が「みんくぉん」とも読める(この話は以前ちらりと書きました)。その建物を見るたびに、心のなかでみんくぉんと呟くのが習慣になりました。
 教室は高校1年生のときだけ使用したのですが、私は卒業式の日だれもいないその部屋の窓からわざわざ「みんくぉん」に別れを告げました。ここに来ることはもう2度とないよと。
 
 浪人時代調査書を書いてもらう必要があって校門をくぐった機会はありますが、そのときはみんくぉんのことはもちろん忘れていました。
 ところが人生の折々、なぜかふと「みんくぉん」を思い出すことがあるのです。どちらかと言えば孤独感や失意など否定的な感情を抱いたときです。あのみんくぉんはいまどうしているだろう? と思い出す。
 じつはおととい見てきました。相変わらず「みんくぉん何々」とありました。48年前にはじめて見たときと同じ字体です。
 
 似たような出来事は、どなたにもあると思います。ただ普通は他人には話しませんね。語るだけの価値がないように感じるからです。ところがそういうものでもない。年月の堆積による静けさみたいなものが宿っていて、それは他者にも何かの利益をもたらす可能性がある。
 大切な方だけには、話しておかれるといいですよ。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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