2019.05.08 00:36

 連休中、読売新聞に葛飾北斎の「西瓜図」という不思議な絵画の解説が掲載されていました。読んでいて、何だかすごいことだなと思いましたよ。すごいという形容詞にはいろいろな段階があると思いますが、この場合は最大スケールですごい! ということです。
 調べてみるとインターネットでも絵画を見ることはできます。できますが、ついでにいわれみたいなものまでお調べになると「最大スケールですごい」の意味がおわかりいただけるかもしれません。
 
 この絵は北斎が80のときに描いたものらしいのですが、なるほどそこまで年輪を重ねないと描けないものなのかもしれないなという気持ちにもなりました。技術的なこともさることながら(私にはよくわかりません)、発想だとか飄々とした味だとか、同じ北斎が描いたとしても20代30代では出てこなかったような気がするのです。つまり同一人物であってもある時期が到来するまでは創造できない。
 ましてや同じ天才画家だからということで、ピカソやゴッホが描けるかと言ったらーー別種のすばらしい作品にはなるでしょうがーー同じものが創造できるわけがないですね。
 
 こういうのは本当に象徴的な話であり、人間は他の人間とはもちろん違うし、同じ人間であっても年代によって創造・達成できることは違う。それを何から何まで数値によって序列を整えようとするからおかしなことになってきます。
 たとえば年収がどうであるとか偏差値がどうであるとか、若いときはこれぐらいの山に2時間で登れたのにとか連続腕立て伏せが50回はできたのにとか、ぜんぶ数値化してわかりやすく優劣を決めようとするので本質を見失う。
 
 これはけっこう深い問題で、私たちは何かを、あるいはどなたかを好きになるとき数値だけでは決定しません。数値を度外視した直観の部分も非常に大きいはずです。一流のスポーツ選手が数字的に他の職業のほうが儲かりそうだと迷いながら練習し続けて大成したなどということがあり得ると思いますか? 自分はこの道で行くと信じて努力してきたに決まっています。
 それぞれの人間はそれぞれの現状(年齢や境遇という意味です)で、それなりの完成型であり、かけがえのない存在だということです。
 
 だからここで全力で輝こうという意志をまず持つべきです。そのときどきにふさわしい絵を全力で描ききってください。何よりあなた自身の気持ちが大切です。数字による序列でご自身を縛らない。外からの雑音はシャットアウトしてください。そして本当はどうしたいのか、どうなりたいのか、どうやって世の中をよくしたいのか、ご自身の方法を考えてみてください。必ずしも勉強は必要ないかもしれませんが、それもまたおおいにけっこうです。
 
 連休が終わって憂鬱になっている方が増えているという報道を見ました。「みんながそうなのだから自分もそうなるのだろう」という平均値でご自身をおとしめてはいけない。映画の主人公は路地裏をふらふら歩いているときもまた主人公です。あなたの人生であなたご自身はそれどころではない絶対的な主人公ですよ。映画の成功は、主人公であるあなたの本気度次第です。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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