2018.03.12 09:42

 荻窪のあるオシャレな商業ビルで何年もお香を買っていました。ところがこの冬、そこが改装になりました。階全体を大規模にリニューアルするというのです。何店舗も抜け、お香のお店もなくなってしまいました。
 私は以前からお店の方にそのお話を聞いていました。移転先もまた聞いていたので、そんなにショックはありませんでした。移転先は駅からちょっとだけ歩きます。不便だな程度です。
 
 大規模に工事しているところ(廊下)を少しぶらぶら歩いてみました。どの店も白い工事用の扉で覆われていて中には人がいるのかいないのかよくわかりません。まあ、いるのでしょうね。お香の店の前に立ってみると、白い貼紙がありました。移転先の地図が出ている。ひと目であのへんだなということがわかる地図です。
 そのとき工事の人がふらふらと近づいてきて、私の存在にちょっと怪訝な顔をしてすーっとお香の店の前の扉に手をかけた。
 
 中に用事があったのですね。すたすたと入っていきました。一瞬空っぽの店内が見えました。お香が並んでいたときとまったく同じ状態でしたよ。茶色を基調とした台がぐるりと取り巻いていて、あのあたりに何があったということを私は瞬間的に考えました。
 ある種、感傷的な気持ちになりました。ここには2度と戻ってこないのだというあたりまえの事実が胸に迫る・・・と書いてしまうと大げさですが、少なくともじんとくる何かがあったことだけは事実です。
 
 引越しのとき、私はよく去っていく部屋の中でひとり言を呟いたものです。最近はーーもう20年近く同じマンションに住んでいるのでーーそんな機会もないのですが、昔は引越すたびにぶつぶつと部屋に声をかけたりした。
 あくまでも部屋に話しかけている。もう2度と会うことはないでしょうからね。そういう瞬間が好きでした。賃貸の部屋というのものは、仮にどんな身分(?)になったところでどなたかが住んでいるわけですから勝手に入るわけにはいかない。お金でどうこうなるものではない。
 
 ということは・・・永遠のお別れだということです。
 お香の新しいお店には先日行ってみました。なるほどと思ったのですが、店員さんの服装が明るい感じに変わっていた。ビル内では服装コードが決まっていたのでしょう。新しいお店は独立しているので、自由な服装が可能なのですね。これからはそちらで購入しようと思います。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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