2018.02.03 00:42

 先日、息子があることでやつあたりしていました。暴力的な人間ではないのでやつあたりといっても「物」にあたっていた。家族に暴言を吐いたりすることはありません。「ふざけんじゃねー!」みたいなことを自室でわめいて、壁を殴ったりしていました。彼自身のミスから生じたことなのでそんなことをしてもまったく意味がないのですが、まあ23歳というのはそんなものですね。私自身は気持ちを理解できました。
 理解できなかったのは犬です(家内は仕事に出ていました)。よほどびっくりしたのでしょう。しっぽを丸めて椅子の下に隠れてしまいました。
 
 同じ部屋にいたわけではないのですよ。隣室から人間が荒れる様子が伝わってきた。何か叫んでいる。内容は理解できなくてもただごとではない感じがする。さらにどんどん壁を叩く音がする。
 息子はその後慌てて外出していきましたが、出かける際にはちゃんと挨拶をしていました。私も犬がかわいそうだから怒鳴るなぐらいの注意しかしませんでした。そのあとがけっこう大変でした。犬がぶるぶる震えていて、椅子の下から出てこようとしないのです。
 
 大丈夫だよとやさしく声をかけた。それでも出てこない。頭を撫でようとすると頭を引っこめてしまう。「大丈夫、大丈夫」声をかけてもとにかくこわいのでしょう。出てこない。仕方がないのでおやつを2種類並べてみた。いつもならつられてすぐに来るのですが、それでも出てこない。こりゃよっぽどのことなのだなと思いました。
 ふだん私も家内も怒鳴りません。家族の間で何かあっても怒鳴るという形式はとらない家庭です。私の場合はーーいろいろな考え方があっていいと思いますーー授業でも怒鳴りません。
 
 若いときはわざわざ演技してまで怒鳴ったことがありました。しかし、いまは怒鳴らない。犬はうちにきてはじめて人間が怒るところを目撃したことになります。それは大変な破壊力だったのですね。
 だいぶたって椅子の下から出てきました。おやつを食べた。ところがいつものようにくつろがない。いつもは専用のふとんでぐうぐう眠るのに、不安そうにずっとこちらを見ていました。口のまわりをさかんに舐めています。
 
 以前、子どもを怒鳴れば暴力をふるったのと同じことになるという記事を書いたことがあります(「怒鳴ればたたくのと同じ」2013年9月12日)。脳が受けるダメージ(萎縮するそうです)は同じだということをピッツバーグ大学とミシガン大学の研究者が発表されていた。獣の犬でさえここまで深いダメージがあるのかと思いましたよ。叩かれたわけでも自分が叱られたわけでもない。それなのにまったく落ち着かなくなってしまった。こんなのが続いたらどれだけいじけた犬になってしまうことか。まして人間がしょっちゅうこんな思いをしていたら・・・ということですね。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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