この種の話はいかがわしい感じで好まないのですが、たとえばUFOを見たことは3回あります。ただそれが本当に空飛ぶ円盤だったのかどうかはわかりません。異常な光体で動きが不規則だったのでUFOと表記しました。
幽霊となると、これまたとてつもなくインチキくさいですね。ですからふだん私はこの話をあまりしません。
同性の友人と見ました。真夏に泊まりがけで海に遊びに行った。夜中に海辺で打ち上げ花火をやろうということになりました。あえて真夜中にそんなことをしてみたくなる年ごろだったのですね。
桟橋のたもとのベンチに座っていました。Y印アイスクリームという広告板もはっきり覚えています。そんなところに座っていたのは、近くに暴走族らしき集団がいたからでした。ブルンブルンというたくさんのモーター音が聞こえてくる。
姿は見えないので、ひょっとすると相当離れた場所にいたのかもしれません。ただ打ち上げ花火ですからね。万が一彼らが気づいて恫喝に来たりしたらこわい。こわいので完全にモーター音が消えるのを待っていました。
そのとき彼が気づいた。「桟橋の先にアベック(当時はカップルと呼ばずにアベックと言っていました)がいるぜ」
白いシャツ姿のおそらく男女があちらを向いてーーつまり海のほうを見てーー仲よさそうにくっついて座っている。高さがあるので、脚を投げ出していても海水に着いたりはしません。
暴走族がなかなかいなくならないので私たちは退屈してきました。冗談で、打ち上げ花火を海側に水平に発射したらアベックはきっとびっくりするだろうなと話したりしました。海に転落されたりすると大変なことになるのでもちろんやりませんよ。そのうち女の子の話になりました。
仲のよさそうな男女にちょっと刺激されたのかもしれないですね。3時をすぎ女の子の話も一段落したとき「あれ? アベックがいない」と彼が大きな声を出した。私たちは桟橋のたもとにずっといました。目の前を通るしか帰り道はありません。ところがいない。
唯一考えられるのは服のまま泳いでいったということですが、わざわざ真夜中に? 私たちはぞーっとして逃げ帰りました。翌日、確かめに行きましたよ。ただの桟橋、下は海、それだけでした。
海の家のおばさんは「ここはよく出るのよ」と笑っていましたが、冷静に考えて服のままどこかに泳いでいったのでしょう。なぜそんなことをしたのか。
ベンチに座っている私たちがすごく柄が悪く見えていたのだとしたらちょっとショックです。長髪は長髪でしたが、小さな声で話していただけですからね。謎の残る出来事でした。
2016.05.30 00:18
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