2015.11.23 10:25

 息子は小学生のころよく暴れていました。暴れることで周囲に迷惑をかけていたらしい。らしいというのは私が実際に目撃したわけではなく、学校の先生からそう聞かされたからです。
 私自身が何度も呼び出されて同じようなお話をうかがった。ああいう子は大人になるにつれ危険が増すという内容でした。少年犯罪とか衝動的に他人を傷つけるとか、とんでもない事件を起こしかねない。そうなったら大変だからいまのうちに暴力的な芽を摘まなければいけないという。
 
 私はいつでも丁寧にお詫びして帰った。私の考えを主張することはありませんでした。
 私なりにもちろん分析している。幼稚園まで息子はあまりにも気弱でした。おもちゃでも何でも取られたら取られっぱなし。かわいそうだなとは思いましたが、そういう自分に罪悪感を持たせないために私は何も言わなかった。
 それがあるときから急に乱暴になった。ははあ・・・と思いましたよ。乱暴な態度に出てみたら相手が引くという現象を見て、キレた者勝ちだという印象を持ったのでしょう。であれば、少し大人になるまでこの論法で通すだろうと思いました。
 
 根底に、自分が育てているかぎり少年犯罪の方向に行くわけがないという自信がありました。本人は、親だけは信頼して大切にしてくれると痛感しているはずなのです。叱られるときも、非常に大きな愛情に包まれているということは実感できる環境に置いていた。
 ときどき、ご自身のお子さんを「好きなようにさせたらとんでもないことになってしまう」とおっしゃる方がいらっしゃるのですが、ご謙遜でなくもし本当にそう考えているとしたらその通りになってしまうでしょう。
 
 他者の見方がどうであれ私は「自分の子はりっぱな(?)大人になる」と信じて接しました。逆に「あいつはろくな人間にならないだろう」と確信して育てれば、当然のことながらろくな人間にはならなかったでしょう。家族が心からだめだと信じて育てているわけですから、その気持ちは相手のハートを直撃します。どうせ、おれ(私)なんか期待されていないんだ・・・の環境で、よくなる道理がありません。
 じつは私自身がそう育てられました。成績がよくないだけでおまえはきっとろくな人間にならないと面と向かって言われ続けてきた。そうした予言の呪縛を解き放つまでに相当の時間がかかりましたよ。
 
 完全な愛情の下に生きているという確信を持たせるためには実際にそう接するしかないでしょう。相手が何をどうしようとこちら側の愛情は減じない。50点をとっても減じない。0点をとっても減じない。息子も何かのテストで0点をとってきたことがありましたが、私は自分が悪い点を取ったときの話をして和やかに盛り上がったものです。
 そんなことで盛り上がることもないのですが、要点は(自分はいつも大切にされている)という感情を植えつけておきたいということでした。
 
 こちらの磁場にいるということです。勉強をさぼるぐらいのことはするかもしれない。しかし、この磁場にいる限り本当に悪いことはできるわけがない。規制しているというよりは本人の幸福に結びつかないからです。磁場そのものがエゴではなく愛だからですね。
Tags :
幼児・小学生
中学生
高校生
高校受験
ソーシャルブックマーク:

プロフィール

プロフィール画像
長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

カレンダー

<<   2015年11月   >>
01 02 03 04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

新着記事

月別アーカイブ