昔のほうがよかった・・・的な感慨は私にはないのですが、いろいろと昔と現在を比較して面白いなと感じることはあります。
10年以上昔、Z会進学教室にも「皆勤賞」というものがありました。無遅刻無欠席、振り替えなどもしなかった生徒を表彰していた。1クラスに3人ぐらいはいましたよ。1年間無遅刻無欠席である。当然できる生徒ばかりです。
彼らだってもちろん忙しかった。部活も定期テストもありました。それでも塾通いを最優先させていた。
現在は便利な世の中になって「皆勤賞」など塾で作っても取得しようとする生徒はいないと思います。定期テストのときはお休みする方が多いですし、振り替えも学年によっては非常に便利にできるようになっています。
時代の要請からすべてが便利に便利にという方向に流れています。いいことなのだと思いますが、失っているものがないだろうかということはちょっと意識してみてもいいかもしれませんね。振り替えればいいのだからととくに用事がないのに遊んでしまった・・・という形であれば、あきらかに便利さがご本人の真剣味をそいでしまっています。
授業の遅刻についてはいろいろと考えてしまうことがあります。もちろんやむをえないものもある。おうちの方からこれこれこういう事情でというお電話をいただく。だいたいは学校行事ですね。「30分ぐらい遅れます」とおうちの方がおっしゃって本当に30分程度遅れて「どうもすみません」と教室に入ってくる。こういうケースは全然気になりません。私はページ数だけ告げてそのまま授業を継続します。
問題なのはしょっちゅう5分ぐらい遅れて駆けこんでくるとか、とくに理由がないタイプの遅刻ですね。
まずかったなと反省してくださればいいのですが、それでかまわないじゃないかと信じている子もいます。私に対してはどうでもいいですよ。失礼な子だと腹をたてることはまずありません。私も歳をとってーーそこはマイナス面かもしれないのですがーー生徒のことは孫(?)みたいに可愛く感じるだけで腹がたつことはまずありません。
ただ世の中に出たら(この場合、学校だって世の中です)、遅れてあたりまえではまずいでしょう。ほんの1つ年上の先輩に対してだってまずい。相手は怒るかもしれないですよ。むだにした自分の時間を返してくれと。
ゆるい世の中ということで、おうち全体が「少しぐらい遅れたっていいよね」という発想である可能性もあります。「遅刻はご家庭の文化だ」とおっしゃっていた私立高校の教頭先生のお話は以前もどこかで書きました。ご兄弟が揃って少しだけ遅れてくる。保護者会ではおうちの方がやはり少しだけ遅れていらっしゃる。連鎖を食い止めたいと先生は必死になるのですが、おうち全体でやってくださらないとなかなかうまくいかない。
私が高校のときはいかなる理由であれ遅刻者は教室に入れないという先生がいらっしゃった。体調が悪かった? 甘えるな! で終わりでした。それで文句が出たりすることは一切ありませんでした。時代の変遷ですね。
2015.10.31 01:30
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