2015.09.21 07:19

 昔、ピンク・フロイドのどなただったかコンサートにわざわざ来たのにプロモーターの人間が30代だったのを知って「信用できない」と帰ってしまったという話を聞いたことがあります。私も10代でしたから感動しましたよ。それぐらいでちょうどいいのだと思いました。
 私は自分の尊敬していたーー憧れていたというべきですかねーー宗教家や芸術家より長く生きてしまいました。太宰治しかり、梅崎春生しかり、マーク・ボランしかり、コージー・パウエルしかり・・・
 
 率直な感じで表現すると、自分も16歳のときがぎりぎり正直であったかなと思います。17歳になったあたりから不純なものが混じりはじめました。まあ、仕方がないですけどね。
 微妙なウソをついたり適当な妥協を試みるようになった。ある意味で投げている部分が多々ありました。どうでもいいと言えばどうでもいいや。本質的にはそういう人間なのですよ。肯定的なものに執着する感情はまったくなかった。それをよく他者にはごまかしていた。
 
 当時こういうことがありました。親友が勝算はないけれども好きな女の子を待つというのです。約束はしたものの来るかどうかはわからない。しかし、路上で待ってみると言う。
 渋谷パルコ(当時はありませんでした)の斜め前に「クリスタルハウス」という喫茶店があった。そのお店の前で待つという約束になっていた。彼は東急プラザのトイレで制服から高価なカシミヤのロングコートに着替えました。お洒落な男なのです。始業式とか終業式とか・・・とにかく早い時間帯だったことを覚えています。私は私で用事があり、渋谷の街中で別れました。
 
 1時間以上たって、私は渋谷から64番中野行きのバスに乗って自宅に帰りました。クリスタルハウスの前をバスが走るときに路上を見たら、まだ彼が女の子を待っていた。色の濃いサングラスをかけていました。女の子はとうとう来なかったのですね。
 この話は生まれてはじめてここに書いたことであって、彼には「帰りのバスできみを見たよ」とは告げませんでした。何かしら計算が働いていたような気がします。
 ちなみに彼は現在大変な有名人です。テレビやラジオや週刊誌に頻繁に出ていますよ。路上で待てる男だったのが幸いしたのではないかと思います。伝える機会はないですけどね。
 
 
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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