2015.09.07 09:36

 親身の指導という表現がありますが、あまりにもべったりくっついているとご本人がなかなか大人になれません。大人になれない=自立できないということですね。最終的にはご本人がしっかりしてくださらないとどうにもなりませんから、大人側の目標としては「いかに大人にしていくか」という要素が強く意識されます。
 ただそれでは本人任せということで助言も何もせず、メチャクチャになっていても放任しておくというのももちろんよくない。それはある種の放棄であり、危険だと思います。
 
 たとえば漢字テストができない生徒がいたとします。半分も点数がとれていない。それを「しっかりやっておくように」とか「練習しておけよ」だけではだめなのであって、ノウハウは具体的に提示する必要があると考えています。
 私が日ごろから言っているのは「心をこめて3回ずつ発音しながら書きなさい。意味のわかりにくい言葉は読めても書けても必ず辞書で調べなさい」ということです。点数をとれない子にはそうしているか? と確認する。例外なく「そこまではしていません」と答えます。
 
 そこまでやらないとだめだよと告げる。そのうえで「自分でしっかりやり続けなさい」と指導します。やっていないようであれば何度も告げる。だんだんやるようになります。そのうち3回書かなくても覚えられるようにもなる。2回でいいや。ただ、そのあたりは黙認しています。再度点数が落ちてくれば何度でも「心をこめて3回書いているか?」です。
「ほら、一緒に書いてあげるから」とか「辞書は代わりにひいてあげるね」とかはやりすぎです。そこまでやってしまうと自立できません。
 
 また「ちらしの裏なんかに練習しないで練習用のノートを作ったらどうか」ぐらいのアドヴァイスもします。練習用ノートが増えてくれば「これだけ頑張ってきた」という有形無形の励ましにもなるでしょう。実際、受験前に塾で使用したノートを床の上に積み上げて努力の跡を確認して心の平安を得たと話してくれた生徒がいました。
 1人でやらせるべきだと思って口出ししなかったらプリント類がメチャクチャになってしまいましたというご相談を受けたことがありますが、手順の手助けは必要でしょう。
 
 配付されたプリント類はとりあえずファイルに入れて自宅に帰ったら制服のままでいいからすぐ分類するクセをつけよう・・・ぐらいのことは指示する。その際、印刷面を表にして折ると何のプリントだかすぐにわかるよとか分類したものはこういう形で保管しようとか、簡単な指導も必要ですね。
 その上で日々きちんとできているかご本人に確認させる。怒ったり怒鳴ったりするのではなく、「ではまた3回ずつ書いてごらん」と同じで穏やかに指導する。もちろん褒めることも忘れない。漢字テストで満点がとれた生徒のことは私は必ず褒めています。必ず、です。
 
 褒められることは心の栄養になります。できたら褒める。できなかったら静かに方法論を示す。そういうことが落ち着いてできる「大人」に育てられてこそ、彼らも少しずつ大人になれるのです。
Tags :
幼児・小学生
中学生
高校生
高校受験
ソーシャルブックマーク:

プロフィール

プロフィール画像
長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

カレンダー

<<   2015年09月   >>
    01 02 03 04 05
06 07 08 09 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

新着記事

月別アーカイブ