2015.09.04 00:09

 8月の終わりに都立グループ作成・独自入試演習(長い!)というテストと解説授業がありました。そのとき論説文に非常にいい問題文が出ていた。これは新宿教室のH先生が作られた問題ではないかと思います。文章そのものがすごくいいのです。
 人間には「物語」が必要だというのです。事実だけではなく、ある意味でウソの物語が。例が出ていました。課長さんが酔っ払って「部長をやっつけてやった」という意味のことを話す。厳密に言えば大げさなウソなのですよ。でも、そうやって自分の気持ちを支えている。
 
 こういった物語的要素がなくなって現代人はおかしくなってしまったというのです。事実だけが大切だということになった。意識と無意識をつないでいた物語をまったく軽視する・・・どころか忌むようになった。そのせいで自分という全体の統合が崩れてノイローゼになったりするのではないか。
 なるほどと思いましたよ。ウソはウソで状況によって大切な役割を果たしているということですね。自分がいまだに「小説」を書きたくなったりするのは、そういう意味合いも大きいのではないかという気持ちになりました。
 
 先週、中央線の快速電車の中に仲のよさそうな小学生ぐらいの兄弟が乗ってきました。大きな荷物を持って2人とも運動競技のユニフォームみたいなのを着ていた。サッカーとかではないみたいです。すごく大きなカバンを持っていました。
 疲れているのですね。私の目の前の席(自分はいつもドアのすぐ脇にもたれかかっています)が1つだけ空いた。「ひと駅ずつ交代で座ろう」とお兄さんが提案しました。そしてまず弟を座らせた。さすがはお兄さんですね。弟→兄→弟→兄と座ったところでお兄さんはぐっすり眠ってしまいました。
 
 次の駅が来て、弟はどうしたか。
 起こしかけてやめましたよ。そのまま黙ってお兄さんが眠っている様子を見ている。自分は座らなくても大丈夫と考えたのでしょう。私は次の駅で下りたのでその後の彼らがどうしたのかまではわかりません。
 ・・・じつはこの話には少しだけウソが混じっています。ただ本当のことを包み隠さず書いてしまうより、ウソを交えておいたほうが温かみのある話になっています。ですからこのままにしておきます。そういう意味で人間には確かにある種の「物語」が必要なのだろうと思いますね。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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