2015.04.13 08:57

 先日講習生のご家庭対象の春期講習授業報告会というものがありまして、そのなかで読書の大切さについてお話しました。改めて記述しておこうと思います。
 じつはこの話は春期講習のテキストに書いてありました。生徒たちはすでに読んでいるので、講習中読書の効用の1つについて深く学んだことになります。Z会進学教室のテキストはそんな感じで単に学力をつける以上のーー大げさに書くと人生観みたいなものを得られるようにーーいろいろと苦心して作られているのです。
 
 偉い先生が提唱されていることで、じつは私も読書にはあれこれ効用があるとは思っていましたが、このテキストの文章をはじめて読んだときは「なるほどこういう考え方があるか!」と本当に感心しました。こういうこと、あるある! ・・・という感じ。
 もちろん効用ばかり考えて、いやいや読書するというのは感心しません。あくまでも好奇心を持ってその時点で面白く感じられるものを読むのが望ましいと考えています。小中高校生の方はそういう視点で読み進めてください。
 
 その先生がおっしゃっていたのは次のようなことでした。
 読書をしていると「これこそまさに自分の考え方にぴったりだ」という瞬間が出てきます。この作者は自分にそっくりだという感動ですね。そういう感動をさまざまな場面で獲得する可能性がある。そしてその感動が、まだ十分確立されていない自己を少しずつ成長させていくというのですね。
 だいたい著者はそれなりの方が多いものです。何かの世界で傑出されていたり努力を認められていたりする。そういう立派な方によく似ている自分というものを読者は意識することで、少しずつ自信を増幅していく。
 
 少年期、私は太宰治をはじめて読んで「男でも全然強くなくて構わないのか!」とびっくりしたことがありました。そういう考え方を教わったことがなかった。なかったものの、自身のことは弱い人間だと感じていましたから、自分なんかまったくくずみたいな存在でしかないという恐怖がありました。ところがここにこんなに弱々しい神みたいな存在の男がいるじ'ゃないかと本当に衝撃を受けました。
 もっともちょっと勘違いもありまして、10代のときの自分は弱さをやたらとひけらかすようになった。あれはやりすぎだったなと思います。
 
 ただ、そうした感覚ですね。書物で出会った著者との共通項から自分の人生観を自信を持って深めていけるという効用は、単に国語の成績が上がるとか語彙数が増えるとかどころではない読書の価値だと思います。
 憧れているサッカー選手の自伝でも好きな芸能人のエッセイでも何でもいいと思いますよ。自分もこういう人間だと改めて確認できる瞬間を多く持てるのは、成長していくうえでとても大切なことでしょう。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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