2015.01.28 09:34

 コメントをくださった方が「お子さんが床屋さんの待ち時間に本を読んだ」という意味のことを書かれていました。昔はそうやって隙間隙間の時間に活字を読む小中学生がとても多かったように思います。それが最近は激減しています。
 隙間の時間というのはーー電車などの乗り物の中や待ち時間ですね。中にはトイレで読みふけってしまうという子もいました。大人であれば、活字を追っていると面白くて面白くて「あと少しあと少し」と思いながらついつい夢中になってしまうという経験を持たれている方が多いと思います。
 
 なかなかトイレから出てこないと思っていたら本を読んでいた・・・というような話をよく聞いたものです。そういう子が少なくなりました。
 かわりにだいたい映像を見ています。ゲームをやったりスマホを見たり。映像はすごくわかりやすいし刺激的ですからね。
 ただそういう生活一辺倒だとどうしても活字を理解する能力はーー活字ばかり読んでいる子どもよりはーー劣ってしまう。鍛えが違う。「筋力」みたいなものが違う。
 
 ちょっと読んだだけですぐに「何書いてあるんだかまるっきりわかりません」と投げ出してしまう小中学生がいますが、活字をじっくり読んで理解していく回路ができていないからです。わかりませんと言われればこちらは丁寧に説明するわけですが、それはある種「映像化」みたいなところがある。この意見とこの意見が対立しているだろう? と図式化して説明したりします。すると「ああ、そうか」とすぐわかる。
 ところがその図式化まで自力で持っていけないのです。ふだん活字を読んでいないので組み立てていくのが面倒くさいのですね。筋力が弱くて持ち上がらないと言ったらおわかりいただけるでしょうか。
 
 都立の推薦入試のために「作文を見てください」と持ってきてくれる生徒がたくさんいました。中にびっくりするほど文章が上手な子がいます。成績そのものは圧倒的上位というわけではないのですが、作文はとても上手い。
 本をよく読むの? と質問すると例外なく「読書は好きです」と答えます。中には勉強はあまり好きではないけれど、本はたくさん読んできましたと正直に答えてくれた生徒もいました。持っている「ことば」や「言い回し」や「表現技法」の数が違う。さらりと擬人法が使われていたりします。身体で覚えたという感じ。
 
 便利な世の中なので小中学生時代活字をほとんど読まなくても快活に生きていくことは生きていけるでしょう。しかし、そのためにちょっと苦労することもあるかもしれません。文章というのは書き方をただ学んで書けるようになるものでもないのです。それはちょうど「重量あげの秘訣」をいくら勉強しても、筋力が乏しければバーベルがまったく持ち上がらないのと同じ理屈です。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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