渋谷にはきちんとしたおそば屋さんが何軒かあります。私がよく行くのは2軒だけです。いわゆる立ち食いそば屋さんもたくさんありますね。どちらかというとーー時間的な制約もありーー立ち食いのお店に行く回数のほうが多いかもしれません。
2軒のきちんとしたおそば屋さんにはあいだを空けて行っていました。先月はあちらだったので今月はこちら・・・という感じでしょうか。どうということもなく普通に食事をしていた。食べるものもそのときどきで適当に選んでいました。
このまえ片方のお店でふと鴨せいろそばを食べました。のぼりが出ていたので何ということもなく頼んでみた。基本的に肉食は避けているのですが、まあそういうこともあります。するとすごくおいしい。薬味のネギと一緒に大根おろしや本わさびなどがついてきました。
本わさびは汁に溶くものではないそうですね。そういう記事を読んだことがあります。おそらく少しずつおそばにつけて食べるのでしょう。汁に溶かないのであればそれしか考えられないですから。
試しにわさびだけつけて食べてみた。するとそばそのものの香りが高くておいしい。こりゃ立ち食いそばとえらい違いだぞと思いました。大根おろしは途中で汁に入れました。汁の中には鴨肉も大量に入っています。食べても食べてもなくならない。こくや脂が全体に滲み出ています。あっという間に食べ終えてしまった。あまりに感動したので翌日も食べてみましたが、本当においしい。さすがに3日連続で食べるのはちょっと恥ずかしい・・・ということで、もう1軒のおそば屋さんに行ってみました。
鴨せいろを注文した。食べ比べようという明確な意志はありませんでした。立ち食いではないおそば屋さんで鴨せいろを食べたいというだけでした。値段は同じです。
ところが、そちらの鴨せいろはあまりおいしくないのです。汁に甘みがない。そばの量が少ない。薬味はネギとにせ(?)わさびだけ。鴨肉も小さくて少なめでした。もちろん立ち食いのおそば屋さんに比べれば、ずっとおいしいのですよ。しかし前日のおそば屋さんと比べると、汁もソバも具材も薬味も量も全分野で負けている。そこは従業員の方が普段着姿でした。もう1軒は全員白い制服を着ています。そういうことも大切なのかもしれません。
Youtubeなんかでーー便利な世の中になりましたーー昔のちょっと地味だった海外のロックバンドの映像を探して見てみることがあります。地味というのは結果的にそうなったということであって、ご本人たちが地味に活動したいと望んだわけではないでしょう。
スプーキー・トゥースやアトミック・ルースターやハンブル・パイなんかを見る。するとこれがいいのです。たいしたものじゃないか、どうしてこの程度しか売れなかったのだろうと思う。しかし直後にレッド・ツェッペリンの同時期の映像を見ると、やっぱり何か違う。
パフォーマー側としてはその僅かの差を感じ取ったり創り出したりする能力や努力、意志力などが大切なのでしょうね。楽曲や演奏能力だけではありません。服装、ルックスに対する気遣い、日常時の振る舞い、あとは自己イメージみたいなものでしょうか。
何事もそうなのだろうと思います。その世界に興味がない人は気づかないぐらいの僅かな差が1流かそうではないかを分けることになるのでしょう。いろいろ考えさせられますよ。
2014.10.19 13:28
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