2013.03.28 05:30

 雑誌などでよく昭和の香りが漂う居酒屋・・・みたいな特集が掲載されていますが、本当にすごいところは雑誌には載りません。信じられないぐらいすごいところもありますよ。
 私はそういうお店もよく知っています。いくらすごくても広く人気が出てしまってはだめなのです。昭和をよくご存知ない若い方たちがたくさん押しかけてきて(お店側は喜ぶかもしれませんが)「昭和だ、昭和だ」と騒いでしまったら、それはもう昭和の香りではなくなってしまいます。

 適度に不人気なのがいいのです。一見のお客さんに何となく(場違いかな)と感じさせる雰囲気。そうしたとっつきの悪さが遺跡的な昭和性(って何だ?)を保持するのです。
 そのお店は山手線のある駅(あえて名を秘す)の近くにあります。渋谷とか新宿とかではないですよ。もっともっと地味な駅。いわゆる立ち飲み屋さんですね。雑誌の類にはほとんど紹介されません。出てしまったことがある程度。ご近所の方以外はどなたもご存知ない。

 入口はいつも薄暗い。やっているかいないかわからない。わざとそうしているのでしょう。お客は男の人しかいません。ほんの二三度、女の人が男の人に連れられて来ているのを目撃したことがあります。奥の目立たないところに立たされていました。お店全体の雰囲気が崩れてしまうからですね。
 いわゆる肴類は異常に安い。百円台のものが複数あります。駄菓子ではないですよ。調理して百円台。ただしクーラーなんかはありません。扇風機です。

 年配のご夫婦がやっている。最近はおばあさんだけが出ている。つい最近こういう光景を目撃しました。店内は私がいちばん若く、あとは70歳ぐらいの男の人が数人いました。1人がポケットから携帯を取り出して両手でメールを打ち始めた。
 するとどよめきが起きた。「**さん、メール打てるの?」続けて「あんたは打てる?」「いやー、わかんないよ」「それ、要するに電気なんだろ?」という信じがたい会話が飛び交っている。2013年の3月にですよ。うーむ・・・ここはホンモノだと感心しました。

 十年ぐらい昔、私がその店にいるときに友人から偶然電話をもらったことがありました。しかも海外から。いわゆる現地のテレホンカードが余ってしまったので、知り合いのどなたでもいいからかけてみようと思い立ったのだそうです。残念ながらそのときは気づかずにあとで留守番電話で知ったのですが、遠い外国と昭和丸出しの店が一瞬でもつながったということに私は何となく感動しました。
 というつまらない話を・・・また早朝に書いています。春期講習2日目です。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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