2013.02.02 13:29

 昔、木村義雄という大変強い将棋の名人がいました。常勝将軍と呼ばれ、永世名人の資格も得ています。大山康晴名人のさらにまえの人ですからずいぶん昔ということになります。この名人はしかし、偉い人でした。棋士の身分が確立していなかった時代に、棋士というのは単なるギャンブラーなんかとはちがって、棋道をきわめる文化的存在だということを世間に知らしめた。この名人が将棋指しの社会的地位を一躍引き上げたと言われています。
 
 私は名人が紅白歌合戦の審査員を務めていたときのことを子ども心にかすかに記憶していますが、ただの棋士というよりいかにも文化人といった感じのりっぱな大人でした。
 ただ明治生まれですから、英才教育を受けていたとかいい学校に通ったとかそういうのではありません。時代が時代ですからそのチャンスはなかった。たしか下駄屋さんの生まれだったと思います(違っていたらすみません)。要するに独力で知性や教養を磨いたのですね。

 昔の偉い人には多かったと思いますよ。だれかが何かを教えてくれるのをじーっと待つのではなく、自分から進んで教養を獲得に行く。そういうことです。それだけの志を持っていた。
 じつはきのう、新宿の大きな書店でこの名人の自伝を立ち読みしていました。すると表題みたいなことが書いてあったのでびっくりしました。読書をして見聞が広がったことが将棋そのものを強くしたというのですね。

 将棋の研究をしたから強くなった、ではない。考えてみれば、将棋指しが将棋の研究をするのは当然です。それはみんな同じである。そこに広範な「読書」というまったく新しい要素を加えてみた。するとそのせいで強くなったという自覚が生じたのですね。それを正直に書かれている。
 何でもそうだと思いますよ。昔、ある有名な格闘家のインタビューを読んでいたら、時間があるときは文学書を読む、太宰治なんかは大変好きであると書かれていたのでほほうと感じたことがあります。

 格闘家だから男らしいものだけを読むのかというと、必ずしもそうではない。おそらく逆に欠落している要素までが加わって全人的に大きくなれるのだと思います。将棋でも格闘技でも勉強でも人間が行為するわけで、人間本体が大きければ大きいほど活躍できる道理です。そういう意味でやはり読書することは大切ですね。広く、大きく、世の中を自分のなかに取りこんでいく。皆さんも、心がけてみてください。
 
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2013.02.01 13:24

 合格された方もそうではなかった方もいらっしゃるでしょう。そもそも内申などの条件が整わず、受けることができなかったという方もいらっしゃるはずです(うちの息子も中3のときそうでした)。
 それでいいのですよ。合格できてもできなくても、あなたという人間とあなたの夢との距離は同じです。同じなんですよ。合格した「だけ」では夢は叶わない。不合格だから夢が叶わないということもまったくない。これから同じ努力、同じ忍耐が必要です。

 高校受験、大学受験そのものを夢だと考えている方もいらっしゃるとは思いますが、高校とか大学とかは入っておしまいという場所ではありません。そこでどういう活動をするか、どういう勉強をするか、どういう人間関係を築くかということが大切ですね。
 入るだけではなく、そこで自分の夢を叶えるためにあれこれと演じていく舞台みたいなものだと考えてください。演じるのはあくまでもあなたです。舞台のほうが役者の私より大切・・・みたいな価値観の転倒を起こさないように。

 ですから、入れなければそれだけで絶望・・・というような短絡的な発想は持たれないほうがいいと思います。
 だいたい結論を急ぎすぎるのですよ。早く楽になりたいからではないですか? 将棋の名人の言葉に「弱者は結論を急ぐ」というのがあります。楽になりたいあまりついつい結論を急ぐ。「志望校に入れればそれですべてが安泰」などと頭から決めてかかるのも、また結論を急ぎすぎです。入れても入れなくてもひたすら努力というのが本当の心構えだと思いますよ。

 道を切り開くのはあなただということを忘れないように。学校や先生が自動的に切り開いてくれるわけではありません。
 推薦で残念だった方は、一般入試に向けてここから1日1点確実に上げていきましょう。また推薦でいい結果が出た方も「くれぐれも」勉強をやめないように。ときどき推薦で入ったのにすごく苦戦している生徒の話を聞きますが、勉強をやめてしまうからいけないのです。一度筋力が衰えてしまうと、戻すまでに非常に時間がかかるものです。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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