その不満はどこから出てくるのでしょうか。
一般的に満足できない、不満だらけだという場合、自分がいま持っているものでは納得できないということなのでしょう。欲望がある。それがなかなか手に入らない。そこでいらいらしはじめる。不満を感じる。そういうことでしょう。
ですが、いま持っているものについては精査してみたことがありますか。どれだけのーーとてつもない質と量を兼ね備えたものですーーものを自分が持っているのか、一度徹底的に考えてみるのも、とくに十代の方にとってはいい経験になるのではないかと思います。
仮にいまあなたが砂漠にいたとします。水を飲まないとあと半日も身体がもたない。そこに水を持った人が現れて、この水とお前の全財産とを交換してやろうと言ったとする。生きるか死ぬかということになってくれば、全財産でも差し出すでしょう。いくらお金を持っていても死んでしまったら何にもなりませんからね。
そこではじめて気づく。
全財産を投げ出しても買うべき価値のある生命を自分は持っていたのか!
身体のどこかが不自由であれば、手当てのためにどれだけ投資しても惜しくないと思うでしょう。ところが、世の中には五体満足で元気一杯なのにもかかわらず「人生、何もかも不満だらけだ」と言う人がいる。
結局、意識の鈍感さの罰みたいなものを自分で受けてしまっているのです。面白くも何ともない不満だらけの人生なのは、人生が悪いのではなく習慣的にそういう感じ方しかできなくなってしまったご当人が悪いと言えば悪いのです。悪いというのは、罪を犯しているとかそういう意味ではありません。自分を狭い檻のなかに閉じこめてしまう「悪い状態」に置いているということです。
目標を持つのはいいのですよ。これから手に入れたいものについてあれこれ考えるのはいいことだと思います。ただ何よりも、いま持っているものに対する感謝の気持ちが先です。まず感謝したうえで手にいれたいものについて考える。
順番を逆にしたり感謝を忘れたりすると調子が狂います。窓の外を見る。厚い雲が空を覆っています。今日はとても寒いですね。ただこんな天気であっても、もう一度あの中を歩けたらどんなに幸せだろうと考えている方がたくさんいらっしゃるものです。そう、感謝しないと。
2011.12.08 13:42
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