2010.04.20 13:15

 毎日、インターネットで教育関係の面白いニュースがないかどうか見てまわる癖がついています。昨日、あるところで「早期教育効果は小学校で消える」という記事を見つけました。いろいろな意味で複雑な気分になりました。自分にしてみれば、こんなことは十年以上前からわかっていたことじゃないかという気持ちもあります。まだ大きな話題になるのですね。

 大昔、ある教育機関で「天才児」というのを何人か見たことがあります。小学校の低学年児童。「天才児」はクラスには入れませんからどうしても個別指導になります。
 どのように天才児であるかというと、皆さん義務教育で出てくる漢字はすでにすべて読めるようになっていました。で、たとえば「松尾芭蕉の俳句を楽しんでいる」「ロシアの文豪の小説を大人の版で読める」「五六年生の算数の問題集をやっている」「百人一首をすべてそらんじている」・・・他にもいろいろありました。その教育機関が早期教育に大賛成でしたので、そういうお子さんを受け入れていたわけです。

 私は担当していて、経験的に彼らが共通して語彙に乏しいことを発見しました。みんな素直なとてもいい子です。私との関係は良好でした。ただ無口というのとは何かしら質の違う語彙の乏しさがある。百人一首を暗誦できるのに、ロシアの文豪の小説を読んでいるのに、自身の状態を正確に表現することが同年代の「普通の」お子さんよりうまくいかないのはどうしたことだろうと当時は不思議に感じたものです。
 昨日の記事で、ある国立大学の発達心理学の偉い先生が、トップダウンで禁止、命令、体罰などを多用すると語彙が乏しくなるとおっしゃっています。統計的にもそうなのですね。

 私は勉強をたくさんして大人から認めてもらわなければならないというストレスと精神的萎縮が原因ではないかと想像しています。
 もっとも私は幼児教育に反対しているわけではありません。宣伝になってしまって恐縮ですが、たとえばZ会の通信教育でやっているような「親子で一緒に遊ぼう」的なものは文化的な体験ができて子どもの心に響くと思います。そこには百人一首もロシアの文豪も出てきませんが、知育という意味ではこれで十分なのです。面白いからもっとやろうとお子さんは喜ぶはずです。何事もふさわしい時期というものがあるのですね。
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幼児・小学生
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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