2010.04.09 14:30

 人間、自分だけを見つめているとやはり十分には自分のことがわからないという側面が出てきます。たとえば日本から一度も出たことのない人より海外経験の豊富な人の方が、日本や日本人のいいところ悪いところがわかると言いますね。同じ原理なのでしょう。
 私は昔、ものすごくお金持ちになりたいと考えていた時期があるのですが、それは隠遁生活を送りたいという動機からでした。誰ともまったく接触しないで生活したいという変な夢(?)を持っていました。

 とにかく対人関係が苦手でした。十代の終わりから二十代のはじめにかけてですね。他者と接するのが極端に苦痛でした。大学時代、構内の学生食堂で食事をした経験は一度しかないのですが、それは人がたくさんいたからです。圧倒されて息苦しいのですね。同じ理由でファースト・フード店にも入れません。失神しそうになります。で、食事はあきらめるか、食べるとしても誰も絶対に行かないようなものすごく場末の、夜酒を飲ませるのがメインの店のカレーとピラフだけのランチを交互に食べたりしていました。

 当時はそういう自分を何とかしなければ・・・という焦りがありました。
 現在の私は、他者と接する機会が同世代の男性に比べてむしろ多いぐらいではないかと思うことがあるのですが、私自身は結局自分の本質を「矯正」したり「治療」したり「克服」したりはしませんでした。私は相変わらず対人関係が苦手で人前に出ていくのが得意ではありません。そういう人間が出ていくからこそ、また微妙な面白さも生じるのだと思っています。
 現在の私はこういう自分を許せますし、むしろ好きになりました。人見知りでよかったですよ。

 きっかけがどのあたりにあるのかはよくわからないのですが、やはりいろいろな人をじっと観察してきたことが大きいのではないかと思います。仕事でも趣味でも私にはできないことを次から次へと軽々と(何しろこちらは自転車にさえ乗れませんからね)成し遂げて涼しい顔をしているような人たちに囲まれていても、しかし私のようであるということに関しては私の右に出る者はいません(あたり前)。
 そこからスタートして、できる範囲で世の中の役にたとうという意志を持っています。地を這う者には地面に生えている草花の美しさが克明にわかるという利点があります。あるがままでいいのではないでしょうか。
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幼児・小学生
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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