2010.02.28 09:02

 この「明るい受験生活相談室」のブログは本日で最終回となります。長いあいだありがとうございました。最後は静かに終わろうと思います。

 以前、アメリカのテレビドラマ「逃亡者」のことを書きました。「さよならはいや」というタイトルのエピソードがありました。二週に渡って放映されたのですが、このシリーズのなかで私がいちばん感銘を受けた話です。
 原題に「NEVER WAVE GOODBYE」とあります。英語はよくわからないのですが、最後に女の人が去って行く逃亡者に弱々しく片手を振るシーンがあり、ああWAVEというのはこういう意味だったのかと思いました。別れたくなくても手を振らざるをえないということですね。

 いろいろな別れがあります。
 幼稚園のころ、私は毎晩寝るとき母親に歌をうたってもらうのが習慣でした。別れの歌というのをリクエストするのですが、歌を聴いているうちに涙が出てくるので気づかれないように母親からは顔が見えないようにして眠ったものです。
 母親と私と近所の路上をお互いに手を振って逆方向に歩いていき、そのまま二度と会えなくなってしまうシーンを想像したりしました。

 中学生時代は大久保駅を利用していました。階段近くの金属のところに汚い字で「サヨナラ」と彫ったあとがありました。落書きは他にもたくさんあり、「バカ」とか「○○くん大好き」などと書いてありました。ひらがなの「さようなら」ではなく、カタカナで「サヨナラ」というところがいいじゃないかと思いました。

 またべつの形で再開させていただくことになると思います。可能なら、いままでの記事も読めるようにしておいてほしいとお願いしてあります。
 お気づきになった方もいらっしゃったでしょうが、私はできるかぎり具体名をあげずに書いてきました。いつでもどこでもどなたにでもご参考になりますように・・・と心がけてきたつもりです。
 それではまたどこかで。
 サヨナラ。



 
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

2010.02.27 10:30

 ここのところ、偶然の一致だとかシンクロニシティだとかについての書物をたて続けに読んでいます。昨晩は帰りの中央線のなかでかなり高名な人(外国人)の単行本を読んでいました。
 あなたの周囲にシンクロニシティはいつでも訪れている、あなたがそれに気づかないだけであると書かれていました。こうした意見に私は深く感銘するものではあるのですが、その瞬間はさすがに夜の十時すぎの中央線の中ではシンクロニシティも何もないだろうと考えながら読んでいました。

 そのとき斜め前に立っていた男の人が突然私の肩に手を置いたのでびっくりして顔を上げると、二十年ぐらい昔に勤めていた塾で一緒に働いていた英語の先生でした。当時はとても親しくてときどき仕事のあとで飲みに行ったりしたのですが、ここ十年間では四年前のお正月に一度会ったきり年賀状のやりとりだけになっていました。私は「シンクロニシティの本を読んでいたもので、こんな出会い方はとても不思議です」と言いました。

 じつはもっと驚いたことがありました。私はちょうど一時間ぐらいまえこの人の新築のお宅を訪問したときの話を教室で一緒に働いている三人の仲間にしてきたばかりなのです。いままでそんな話は一度もしたことがなかったのですが、その日にかぎってなぜか話したくなったのでした。
 こうした偶然の一致に見えることが偶然ではないとすると、どの時点から必然なのだろうと考えたりします。さきほどこの人の家を訪問する話をはじめた時点でこうして会うことが約束されていたのかもしれません。いや、そもそもこの人の家を訪問した十一年前に・・・と考え出すと何が何だかわからなくなってきます。

 その電車のその車輌に乗ったというのも私にしてみればまったく意図的なことではないのですが、どこか高いところではすべて約束されていたのかもしれないですね。その種の書物にはこうしたシンクロニシティを上手に使って夢や希望を叶えなさいと書いてあります。このことについてもう少し考えてみたいと思います。
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

2010.02.26 13:40

 昨日、七万人目の方が入ってくださったようです。どうもありがとうございました。
 先日少しだけ記事にも書きましたが、このブログは二月いっぱいでいったん終了ということになりました。今後はまたべつの形でお目にかかることになると思います。その際はよろしくお願いいたします。

 受験生だった皆さんも新しい環境に移っていくわけで、いろいろと心配されているかもしれないですね。新しい中学、高校、大学でうまくやっていけるだろうかという不安は当然あるでしょう。変な人がいたらどうしよう、先輩から意地悪されたら困るなあ、先生とはうまくやれるだろうか・・・あれこれ考え出すときりがないですね。
 法則があります。自分が相手に対して面白みを感じる度合いに応じてあなたも相手から大切にされます。新しい環境にどれぐらい興味を抱けるか、すべてはあなた側の意識にかかってきます。

 あえてどれぐらい新しい環境を「好きになるか」とは書きませんでした。好きになれなかったら? と変なプレッシャーがかかるとよくないですからね。面白がるだけでいいのです。それで向こうはあなたに好意を抱いてくれるはずです。個人でも組織でも。
 所詮人間は自分と同じ要素を持つものしか愛せない面があります。似ているものしか本当には理解できないということですね。しかし、たとえばーー変な例ですがーーこの私は世の中にほとんど似ている人がいません。自分のように飛行機に乗ったことがなくディズニーランドに行ったことがなく自転車に乗れずパソコンを持っていないヘヴィ・メタル好きの50代の男性は、現在の日本にそうはいないのではないでしょうか。

 では、私は周囲が敵だらけなのかというともちろんそんなことはありません。私と全然違うタイプの人についても好奇心を持って接することができます。ディズニーランドが大好きという人に対しても(この人は自分とは違う感性を持っているなあ)と畏敬の念を持って接しているつもりです。愛情とはべつなのでしょうが、相手の大切にしているものを敬う気持ちは間違いなく伝わるものです。
 新しい環境の中でとにかく面白そうなことを探してみてください。そういう気持ちを抱けるだけで視界が開けてくるはずですよ。

 
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

2010.02.25 12:33

 今年池袋教室からある難関高校に合格した生徒がいます。この子は間違いなくベスト3に入る成績をとり続けていた生徒でした。見事に第一志望の高校に合格できたのですが、合格して約十日、もう大学受験のZ会東大マスターコースの方に入会したいと説明を聞きに来ましたよという連絡がマスターコースの方から入りました。大学受験の意気込みを熱く語っていたそうで、すばらしく聡明そうな生徒さんですねと言われたのですが、私はやはりいちばんに動いたのはこの子かと思いました。毎年毎年同じような話が入ってくるからです。

 中学高校大学で第一志望に合格されたみなさんも残念ながら第一志望ではなかったみなさんもいまは何をなさっていますか? 私はやみくもに勉強をしなさいと言いたいわけではありません。しかし時間もチャンスもすべての人間に平等に開かれていることだけは事実であり、池袋の優等生だった彼のように動こうと思えばだれでもすぐに動けるのだということには気づいていてほしいと思います。

 よく生徒から「あの子は私と違って頭がいいもん」というような嘆き(?)を耳にすることがありますが、頭がいいと称される人は必ずこうして他者より早いタイミングで難しいことにチャレンジする機会をつかもうとします。何かが達成されたからといってぼんやりしていないということですね。
 彼はこう考えたのだと思います。いままでの勉強習慣をこわしたくない。だからと言って学校は四月まではじまらない。だが塾なら三月から通うことだって可能だ。とにかく話だけでも聞きに行こう。何年も見ていた生徒ですから考えていることはわかりますよ。

 こうやって頑張っていけば、東京で一番目か二番目に入ることが難しいと言われているその高校でも彼はやはりはじめから上位に位置することができるでしょう。そうした高校に入っただけで安心してしまう人たちがいることも私は知っています。その人たちから見ると彼は「ぼくと違って頭がいいもん」ということになるのでしょうが、すごい人はみんなこうやって早くから汗をかいているものなのです。
 もしあなたが気が抜けてしまった・・・という状態ならちょっと考えてみてください。先頭集団はもう走り出しました。入学まで何もやらなくて本当に大丈夫ですか?
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

2010.02.24 13:26

 この「明るい受験生活相談室」もみなさんの受験がだいたい終わってきましたのでそろそろ別の形にしましょうかという話が出てきています。毎日たくさんの方が読んでくださっているので単純に終了ということではなく、私のブログは残す方向で考えてくださっているようです。大勢の方の協力があり成り立っているので、記事を書いている「だけ」の私は皆さんの決定に従って次に進むことになります。お別れという形にはならないみたいですよ。

 新しくブログを開始するとしたらどういうタイトルがいいだろうという相談を受けたことがありました。Z会の皆さんのブログは私も楽しみで毎日読んでいるのですが、たとえば○○日記、××便りというような形ですと単に真似しただけになってしまいますから、思いきり凝ったものがいいような気がしました。
 私は次の三つを候補にあげてみました。「青い影」「愛の夢」「夕べの恋」・・・いい感じでしょう? 「青い影」はプロコロハルムというバンドが大ヒットさせた昔のポップスです。バッハの音階が使われているとかで、非常に格調高い名曲です。よくもまあこんな曲を作ったものだと感心しますよ。

 ほかの二つはペリー・コモのヒット曲のタイトルです。ペリー・コモという歌手は若いとき大人気だったのですが、しばらく低迷期が続きました。ところが、1971年ごろ突然「愛の夢」という美しい曲でカムバックしました。「夕べの恋」はそれに続くヒット曲ですが、「愛の夢」ほどははやりませんでした。ただ私は「夕べの恋」の方がじつはいい曲なのではないかと思っています。

 タイトルというのは大切です。私がその昔文芸誌や音楽誌に発表した小説のタイトルは「月焼けの街」「海の底の白いピン」「闇の水路」「ガン・シャイ」「四日市」というものでした。いま見てもぜんぶカッコイイなあ! とくに「海の底の白いピン」というタイトルは我ながらよく考えついたものだと思います。深海に沈んだボーリング場の屋根の大きなピンをイメージしました。
 わけのわからない内容になってしまいました。とにかくこのブログは続く限り毎日書きますので、よろしくお願いいたします。
 
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

2010.02.23 12:57

 おとといの日曜日、Z会進学教室の梅田教室、京都教室の二箇所でお話をさせていただきました。いらしてくださった保護者の方が非常に協力的でとても気持ちよくお話することができました。講演会でも説明会でも授業でもみんな同じ側面がありますが、私一人で空間を作るわけではなく皆さんとの共同作業のようなところがありますので、おとといいらしてくださった方たちのようにときどきメモをとられたりうなずいてくださったりすると、会全体がとてもいい雰囲気で進行していきます。なかにはブログを読んでくださっている方もいらっしゃったみたいで、どうもありがとうございました。また機会がありましたらお目にかかりたいと思います。

 帰りは京都から新幹線で愛知県まで行きました。ちょうど日が暮れていくところで空がとてもきれいでした。何ということのないある日の夕暮れどきを美しいと感じられる五十代でよかったと思います。
 そう言えば行きは行きで、新幹線の窓から面白い形をした月が見えました。息子に「月が見えるぞ」とメールをすると、しばらくたってから「そうか」という簡単な返事が戻ってきました。こんな小さなやりとりが大切ですよということを講演会ではお話させていただいたのでした。

 愛知県には先祖の墓があります。私の両親や私自身は事情があっておそらくそこには入らないと思うのですが、私はときどきそうやって先祖の墓を文字通り「見に」いくときがあります。墓参りと言うほどおおげさなものではなくーーまあ墓石に水ぐらいはかけますがーー何となく見にいく。それだけでも喜んでもらえるのではないかという気がしています。
 他のお墓もぶらぶら見て歩くのですが、小さいお子さんが亡くなったのでしょう、お地蔵さんが墓石の横に立っているお墓もありました。気の毒で思わずお地蔵さんの頭を撫でてしまったのですが、これまたそういう五十代でよかったとも思いましたよ。
 
 地方都市を歩いていると見慣れない鳥が川のなかにいたりして楽しいですね。まだ自動改札機が導入されていない私鉄にも乗りました。改札口で駅員さんに切符を手渡しながら、私が子どものころは新宿駅でさえこうだったなと思い出しました。
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

2010.02.20 08:05

 お約束(20日分のブログを読んでください)の三本目の記事です。
 タイトルを書いていて気づきましたが、今年は平成22年の2月22日ーー2が並ぶ年なのですね。何かいいことがありそうです。
 
 来週、都立高校の入試があります。Z会進学教室中3生の授業は今日20日でおしまいです。まったくの偶然ですが、私の国語の授業で最後になります。
 私はこのブログについて相変わらず生徒や保護者の方には何も話していません。何となく義務のように考えて読む生徒が出てきたらかわいそうですからね。しかし、保護者の方と面談していて「うちの子が先生のブログを読んでいます」と聞かされてびっくりしたことは何度かありました。

 よく見つけましたね。数人の方からそういう話を聞きましたが、ひょっとするとそれ以外にも読んでくださっている生徒がいるのかもしれません。今日も淡々と授業を進めるつもりですが、今年の生徒は非常に印象に残っています。勉強もよくできるのですが、どう表現したらいいのだろう、こちらの気持ちをつかもうという意思が強い感じがしました。
 そのことをもしかするとあなたは弱さだと思っているかもしれないですね。自分は自己を主張しきれないところがあると。すぐ他者のペースに合わせてしまうと。

 しかしそうやって他者の心が読めるのは大変な才能であり、いずれその能力が活きてくる日が必ずきます。私自身がちょっとそういう感じの人間なのですが、たとえば人に何かを教える立場にたったとき(職業に関係なく私たちはつねに他者に何かを教える機会があります)、他者の気持ちを読むのはものすごく大切なことです。
 今年も非常に紳士的に生徒に対することができました。それは私が紳士だからではなく、生徒の方がすごく紳士的(女子もです)だったからです。

 一年間、とても楽しく授業できました。受験の成功をもちろん祈っていますが、それ以上のものを分かち合えたような気持ちはしています。どうもありがとう。
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

2010.02.20 07:15

 大阪へは新幹線で行きます。子どもみたいでちょっと恥ずかしいのですが、私が世界中でいちばん好きな場所は東海道新幹線のグリーン車内です。とくにこだま号のグリーン車。「ぷらっとこだまプラン」というのがあり、グリーン車でも安い料金で乗ることができます。
 今回は夜遅く授業が終わってからの出張ですからのぞみ号を使いますが、本当はできるだけ長く車内にいたいのでこだま号の方がいいのです。

 というわけでこだま号のグリーン車には何度も乗っていますが、いつもがらがらです。車輌に私一人というときもありました。座席は東京から大阪に向かって左側をとります。右側ですとーー富士山は見えますがーー山が迫ってくる感覚がちょっと苦手なので、海が開けて見える左側に座ります。もっとも夜はほとんど見えないので関係ないですね。
 
 列車内でビールを飲んだり食事をしたりすることもあります。私は知らない人がすぐ横にいると遠慮してしまって食事ができないのですが、グリーン車はすいているのでその心配はありません。
 とは言っても新幹線内で酩酊したらみっともないので、そんなにたくさんは飲みませんよ。以前、シロウト(?)だったころはお弁当などもわざわざ大丸デパートの地下に行って豪華なものを買ってきました。しかし、最近はそれは邪道だと感じるようになりました。あえて味の落ちる駅構内のものを買って食べるのが正しい弁当道ではないかと感じるのです。

 ときどき列車がスタートする前からビールを飲んだりお弁当を食べたりしている人がいますが、そんなに慌てて食べないでよと言いたくなります。できれば新横浜を発車してからおもむろに・・・それがだめならせめて品川を過ぎてからと考えるのですが、そういうことにまったく頓着しない方もいるのが面白いところですね。
 大阪京都の講演でお話することはだいたい決まっています。ホテルで最後にもう一度確認するつもりですが、列車内ではひたすら新幹線を楽しむことにします。
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

2010.02.20 06:20

 ちょっと困ったことがあります。私はこのブログを昨年の6月25日から毎日必ず書いていますが、それは意地とか見栄とかからそうしているわけではありません。タイトルに「明るい受験生活相談室」とあります。ということは受験生の方(中学高校大学問わず)が読んでくださっている可能性があります。
 私はときどき教室でも受験生に「毎日少しずつでもいいから必ず勉強しなさい」と言うことがあります。病気のときは問題集の表紙をながめるだけでいいからとにかく毎日がんばってきたのだというプライドを大切にしなさいと。

 小学生も中学生も高校生もそれなりにみんな忙しいわけです。ですから、毎日と決めておかないかぎりどんどん勉強から離れる日が出てきます。今日は部活が、今日は体育祭が、今日はみんなと遊ぶから、今日はちょっと風邪気味で、今日は久しぶりにおじいちゃんの家に行ったので・・・いくらでもサボる理由は出てきます。
 であればいっそのこと、受験までは毎日必ず机に向かう、勉強すると決めてしまった方が気分的にも楽な面があるのではないでしょうか。例外はないということですね。 

 生徒にだけそういうことを言っておいて自分はブログによる応援を日々更新しないというのはまずいのではないかと考えています。ですからタイトルに「受験生」が入っていなかったら、私は毎日は更新しなかったと思います。
 受験が終わった方はもう読んでくださっていないかもしれませんが、都立高校の入試はまだこれからですし、次の学年の方も入試までもう一年はないわけなので「受験生」といえば「受験生」といえるでしょう。

 じつは大阪と京都のZ会進学教室で講演会があり、今日から出張に出ます。帰りにはちょっとお墓参りをしようと考えていまして、21日と22日、私はブログを書ける環境にありません。二日間お休みをいただくのですが、私は自分の生徒に言っている通りに対処しようと思います。勉強を休んでしまったらそれは仕方がないから、そのかわりできる日に休んでしまった分もやりなさいと言っています。
 というわけで今日三本書きます。これが20日分。あとで21日分と22日分を必ず書きますから、三日に分けて読んでください。こういう大人もいるということです。私もサボらないので、あなたもがんばるのですよ。
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

2010.02.19 13:40

 これまでに何度か引越しの経験があります。引越すときはやはりちょっと寂しいですね。いまの賃貸マンションにはもう十年近く住んでいるので、ここを引越すときはやはり寂しいのではないかと思います。
 不思議なもので建物の方も人間が引越すときに調子が悪くなることがあります。以前引越す当日にベルが鳴らなくなったり電灯が切れたりしたことがあり、おかしなものだなと思いました。

 二十年近く昔の話ですが、引越してきた日に近所のおそば屋さんでカツ丼を食べました。何年かたってそこを出る日にまたわざわざ同じ店に行ってやはりカツ丼を食べました。
 そこはなかなか環境のいい街で、ときどきアイスクリームの移動販売車が音楽を流しながらやってきました。引越しの当日あの音楽ももう聴けなくなってしまうのかと感傷的な気分になったことを覚えています。

 昔住んでいたところをわざわざ見に行ってみることもあります。もちろん外から見るだけですが、ベランダがきれいに片づいているとやはりうれしいものですね。逆にひどく汚れていたりすると悲しくなります。
 一度、衝撃的な経験をしました。私が昔住んでいたマンションの同じ部屋に住んでいる人がZ会進学教室の講師に応募してきたのです。文字通り同じ部屋(407号室でした)ですよ。こういう確率はいったいどれぐらいなのでしょう。

 英語の先生でした。私は面接に同席させていただいて彼と部屋の話をしました。彼もまた非常に驚いていました。
 引越して部屋を出るとき、私は最後に何もない空間に向かって「さようなら」と声をかけることにしています。仮に自分が大金持ちになったとしても同じ部屋に住むのは(そのときに住んでいる人がいる関係で)なかなか難しいわけで、まさに一期一会みたいなところがあります。もう二度とこの部屋に入ることはないのだと空間を目に焼きつけてから静かに扉を閉めます。
Tags :
幼児・小学生
ソーシャルブックマーク:

プロフィール

プロフィール画像
長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

カレンダー

<<   2010年02月   >>
  01 02 03 04 05 06
07 08 09 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28            

新着記事

月別アーカイブ