2009.12.01 12:58

 おうちの方が非常に表現力豊かで、また分析力にも優れていらっしゃるとどういうわけかお子さんの口が重くなってしまったり、あるいは的確に表現できなくなってしまったりすることがあります。これは必ずそうなるという意味ではありませんのでご安心ください。ただ、どうして保護者の方がここまで(いい意味で)饒舌なのに、この子は自分の気持ちを外に向かって伝えられないのだろうというケースが出てくるのは事実です。

 それはこういうことだと思います。たとえばそういうお母さまはこんな風にご自分の気持ちを表現します。「私は期待していないと言いながらもちょっと期待している部分もあるのです。そのことが何となくあの子に伝わって負担に感じてしまうのかもしれませんね」
 実に的確にご自身の気持ちを分析してそれを他者にわかりやすく伝えています。ところが、これを当のお子さんにもやってしまう。

 あなたはこれこれこう考えていて、でも本当はこういう気持ちもあるのでしょう? それをごまかしているということに気づかなくちゃ。だったらこういう風にしていけば気持ちも晴れるし、いい結果が出るんじゃないの? 
 その指示がまた常に的確であれば、要するにご本人は何も考えず、何も表現せずでずーっと進んでいけるということになってしまいます。
 自分の気持ちを何とか他者(その第一歩は保護者の方だと思います)に伝えたい、そのために本当の自己の心情を見つけ出さなくてはならない、さらに相手がよくわかるように何とか伝えなくてはならない・・・そうしたいい意味での精神の苦闘を経験する必要がないまま成長してしまうということですね。

 いつもだれかが先回りしてわかってくれるという習慣をつけてしまうとわからないのは自分の工夫が足りないのではなく、相手の理解力が足りないせいだという意識にもなりかねません。そうならないように時間はかかってもやはり本人に考えさせ、たどたどしくてもむりに結論を引き出そうとせず表現させるように心がけていただけるといいと思います。保護者の方が聡明すぎるというのもまたマイナスになる要素があるというところが難しいですね。
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幼児・小学生
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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