今日は自分の話を書きます。
私の父はもともとは軍人でした。祖父も軍人です。先祖は兵庫県の武士でした。そういう家庭に育ったので、庶民性に欠ける(?)ところがあるような気がしていました。小学生のころ私は友だちのように野球帽を被りたいと思ったのですが、父はいわゆるHATはいいがCAPはだめだというような言い方をしました。よくは覚えていませんが、何かしら大正生まれの人間特有の微妙な差別意識があったのかもしれません。
いつのころからか、そういう自分をいやだと思ったのですね。それからはやたらと自分の知らない下町に出ていくようになりました。以前も書きましたが、もともとは六本木とか麻布とか渋谷とかが好きだったのですが、そういうところへはもう行きたくないと考えました(ついでにそういう仲間とももうお別れだと思いました)。で、赤羽や十条、王子、日暮里、小岩あたりに出かけて行く。
1998年に「下町酒場巡礼」という本が出ました。何年後かに「続・下町酒場巡礼」という本も出ました。いわゆる下町の、どちらかと言えば身体を使った仕事をされる方たちが集まるような雰囲気のいい酒場が多く紹介されているガイドブックです。あえて住所は記されていないのですが、あちらこちら苦労して探しだし半分ぐらいは制覇したのではないかと思います。
これだよ、これ、などとはじめは喜んでいたのですが、最近はどうもそういうところでも結局自分は浮いているのではないかと感じるようになりました。気取った場所より楽しいのは間違いないのですが、所詮観客の感覚でしかない。隣の人に突然話しかけられて微妙に慌ててしまったりする。話が噛み合わないのですね。
私にはプライベートな友人というのがほとんどいないのですが、結局どこかの集団に属してその中で楽しくやっていけるタイプの人間ではないのだろうと思います。それは自分自身が望んだ結果でもあるので後悔みたいなものはありませんが、生きにくいなと感じることはときどきあります。
2009.11.30 14:22
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