2009.09.18 12:20

 教室の中、とくに授業中はみんな一生懸命ですからよそ行きの発言しか聞けなかったりします。そこで私は休み時間や授業後の生徒の会話をときどき意識的に聞くようにしています。とくに面白いのは講習中の食事時ですね。私が部屋にいるといやでしょうから、一旦は出ていき返却物を返しがてらちらりと話を聞きます。本当に一瞬のことですが本音の部分が出てきます。

 手作りのお弁当を毎日持ってくる中一の女子生徒がいて、その生徒のことを周囲の子がうらやましがっている場面に遭遇しました。
 お母さん、偉いよねーと一人の少女がいいました。「うちのお母さんは働いているから忙しいんだ」お弁当を持ってきていた子は小さな声で「うちのお母さんも働いているよ」と言いました。「ええーっ! えらーい!」と周囲の子たちが大げさな声を出しました。

 私自身は弁当を持ち歩かない主義(昔、ある棋士の自戦記で弁当について深いことを書いてあったのを見て以来そうしようと決めました)なので、お弁当を持っている人をとくにうらやましいとは思いません。また、手作りのお弁当が絶対的にりっぱであり、何かを買って食事をすることがよくないという認識もありません。
 ただドライな現代っ子が、自身の家庭についてはけっこう封建的に見ているのは非常に面白いと思いました。

 同じように迎えに来てくださるご家庭の子を彼らはうらやましがります。「心配してくれているんだねー」と。もちろんこれが中学三年生ぐらいになってくるといやがったりもするのですが、一年生ですと圧倒的にうらやましがっています。
 変な表現ですが、彼らにそうして愛情の貸しを作ってあげることもどこかで役にたつかもしれません。私は家内に息子にはなるべくお弁当を作ってあげてくれと頼んでいますが、それは今後何か大きなトラブルがあったときに「お母さんだって早起きして毎日お弁当を作ってくれていたじゃないか」と考えさせてやりたい気持ちもあるのです。

 子どもに愛情を持たない親はいないわけですが、実際に形にして見せてあげないと幼い感性には理解出来ないこともあります。そのあたりはある程度効果的な演出も大切なのかもしれませんね。 
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幼児・小学生
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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