2015.07.30 00:04

 読書感想文についてはもう何度か書いてきましたが、夏休みということもあるので同じ内容になりますがもう1度書いておこうと思います。
 中学生の方だと短くて400字、長くて2000字といったところではないでしょうか。平均すると800字ぐらいなのかなと思います。作文用紙2枚ですね。これがなかなか埋まらない。私も中学生のときはそうでした。あらすじを書いてとても面白かったと書く。すると400字にもいきません。困りましたよ。
 
 書き方にコツがあります。コツなんか教えてもらわなくたっていくらでも書けるよという方は、そのままのやり方でけっこうです。どうしてもマス目が埋まらなくて困っている方だけ参考にしてくださったらいいと思います。
 まず作者について徹底的に調べてみてください。それを書くだけで相当の分量になります。作者の生い立ちだけではなく、感想文で取り上げる以外の作品についても調べてみる。たとえばーーどなたでもいいのですがーー太宰治の「走れメロス」について感想文を書くことにしますか。そのときほかの作品についても少し書くのです。
 
 むりにぜんぶ読まなくてもいいですよ。ちらりと読んだだけで「走れメロス」と「人間失格」ではずいぶん趣が違うということに気づくはずです。そういうこともちょっとだけ入れてみる。この作品は作者のほんの一面をあらわしているものにすぎないと考えましたという風に。
 またその本を読もうと思ったきっかけみたいなものも書いてください。なぜ興味を持ったのか。手に入れるためにどこの書店にどなたといつ行ったのか。どんなことを話しながら買ったのか。帰ってくるとき電車の中でちょっとだけ中身をのぞいたのかどうか。わくわくしましたか? そういうことも日記のように書いてみるといい。読んでくださる方は生身の声を面白がるものです。
 
 さらに非常に感動、あるいは感心した部分を引用してください。大人の書評だってみんなそうです。その書物のことを詳しく語ろうとすれば、どうしたって一部を抜き出して説明を加えるしかない状況に追いこまれるのは大人も子どもも同じです。
 内容の深さに感動することもあれば、難解さに辟易することもあるでしょう。難しくてよくわからなかった部分を抜き出して、ここの部分はいまの私には正直なところよく理解できない、大人になったらきっとわかると思う・・・と書けばそれはそれでりっぱな感想文です。
 
 引用は多すぎても字数稼ぎみたいに見えてしまうので2ヶ所ぐらいにとどめておきましょう。表現の巧みさに感心したなどというものでもいいですよ。巧妙な比喩の含まれている部分を書き抜いてこんな比喩を考えつくだけでもすごいと書く。引用の前後は1行空けてください。
 そして最後はその書籍を読んで自分が何を得たか、成長したか、あるいはこれからどう成長していこうと思うか、そんなことを書いてまとめます。これからもたくさんの本を読んで物事を考えていける大人になりたいという感じですね。
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2014.08.22 13:41

 2つのテーマを並行させて書いてみます。
 毎年、この時期になると「読書感想文をどうしよう」という相談が出てきます。何をどう書いたらいいのかわからない。読書感想文の書き方については以前も記事にしたことがありますが、まあ今年も少し書いてみますかね。
 1つの書物をはじめから最後までべたーっと感動しながら読むケースはめったにないと思います。山あり谷ありでしょう。とくに面白い部分というのがある。
 
 Arch Enemyというロック・バンドがあります。いわゆるヘヴィ・メタルのバンドで、私は昔から好きでアルバムも持っていました。今年「ウォー・エターナル」という新作を出したのですが、ヴォーカルが代わったので様子を見ていました。アルバムを買うのであれば、プロモーション・フィルムを見てからにしようと思った。「ウォー・エターナル」はYoutubeで見られますから。
 で、見たのですが・・・これが素晴らしかった。感動しました。ただこんな感想では何も伝わらない。「いい曲で感動しました」は感想になっていないということです。
 
 フィルムのスタートから1:30たったところ。はじめて見たときそれこそ衝撃を受けてキッチンの椅子から立ち上がりましたよ。あまりのかっこよさに、還暦近いじいさん(私のことです)が興奮して「おおーっ!」と声を出した。
 ギタリストのマイケル・アモットが演奏の途中で一瞬静止する。それも利き手のほうでギターのネックを持ち身体から離すような不自然な仕草を見せる。一瞬です。
 私がこれまで見た数々のギタリストの動きのなかで1、2を争う美しさだと思いました。
 
 どなたかに説明するには一緒にフィルムを見てもらって1:30のところで「ここ、ここ」と説明するしかありません。と同時に、当然「この場面の何がいいの?」という人もいるでしょうから、理由を論理的に展開する必要があります。さらにここをすごくかっこいいと思えてしまう自分はどういう人間なのかということにまで言及する必要が出てくるかもしれません。
 読書していて強く動かされた部分は抜粋して作文用紙に書いてください。写すのです。そのうえでどこがどう素晴らしいのか、自分が素晴らしいと感じる理由はどこにあるのかを述べる。最後は、自分が何者であるかというところまで掘り下げる。
 
 抜粋する箇所は1つとは限りません。ここもいい、ここもまたいいというところが出てくるでしょう。次々書き抜いていけば2枚3枚なんてあっという間です。
 マイケル・アモットのあの動き(というより静止)の根本にある精神は歌舞伎なんかの伝統芸能に共通するものがあるように感じます。同じ文化的背景を持った人間なら当然「おっ!」と乗り出すはずだという確信を持ってやっている。と同時にわかる人だけわかればいいという潔さがある。
 こちらはこちらでわかる人にだけわかればいいよさがわかるというところに誇りを持つ。そういうことなのだろうと思います。
 
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2011.07.29 12:10

 夏休みの宿題の定番ですね。読書感想文については、去年おととしと二回書きました。そこに書いた以上のことは改めて何もないのですが、今年はいくらか具体的に書いてみます。
 難しく考えすぎずに「随筆」(エッセイ)だと思って楽に書きましょう。随筆はわかりますね? 身の回りの、本当のことを書くのです。

 ですから、たとえばこういう書き出しが可能です。
「僕は読書があまり好きではない。小学生のころ、担任の先生に難しい本をたくさん読むように指示された。とてもいい経験になったが、いま思えばちょっと自分には難しすぎたような気がする。何が何だかわからない文章を読むことが読書だというイメージを持ってしまった」

 また、こんな書き出しも。
「いままで私が読んできた本のなかでいちばん面白かったのは〇〇という作家の「△△」という物語です。小学生のときに母(おかあさんはそろそろやめよう)が買ってきてくれたものでした。それがあまりにも面白かったので、わざわざ他の本を読む必要はないやと思ってしまうことがあります」

 え、そんなこと書いていいの? と驚いた方もいるでしょう。いいのですよ。課題図書のことしか書いてはいけないなどと考えたら、それこそすぐに終わってしまいます。こういう書き出しもいいと思います。
「僕はサッカー部だ。サッカーをやっているときはすべてを忘れて夢中になれる。それに比べると読書は物足りない。世の中にはいろいろな人がいていい。読書に没頭できないことを恥ずかしいことだとは思わない。サッカーに夢中になれない人のことをばかにしたりしないのと同じ理由だ」

 いくらでも字数を稼げます。あとは本文からの抜粋も忘れずに。そのあたりは完全に同内容になるので繰り返しません。過去の記事(「読書感想文」というフォルダをクリックしてください)を読んでみてください。
 要は、あらすじと全体の感想しか書いてはいけないのではないかという硬直した姿勢を捨てることです。
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2010.08.04 11:11

 昨年の八月にも一度書いていますが、夏休みなのでもう一度書きます。参考にしてください。
 字数が埋まらなくて困るという人が多いのですが、本の内容の感想だけしか書いてはいけないような気持ちになるから埋まらないのです。あなたの好きなことーー趣味とか生活とか食べ物とか交友関係とかーーもからめて書いていいのですよ。いままでどんな本を読んできたか、読書は好きか嫌いか、その理由は何か、友だちはどんな本を読んでいるか、本を読むより好きな娯楽は何か、それはどこが楽しいのか、そういうことも自由に書いてください。

 内容のおもしろさというのはあらすじのことだけではありません。表現全体を見てください。読点が多い? それもおもしろさですね。まるで話しているような書き方? それもおもしろさです。段落が多い、あるいは少ない。ですます調である。比喩が奇妙。体現止めを多用している。一文が長い。その気になればいろいろと気づけるはずです。
 そういうところを何箇所か抜粋して写しなさい。そして、そのあとに行をかえてコメントを入れます。たとえば「ぼくはいままでこんな比喩を見たことがなかった。こういう比喩はおもしろいのでこれからはぼくも使うつもりだ。読書をするとこんな利点があることに気づいた」という具合いに。

 作者についても詳しく調べて書きましょう。相当字数は稼げます。そうやって調べる姿勢を先生は高く評価してくださるはずです。作者の履歴についても興味を持ったところは書いておくといいでしょう。「○○大学の法学部を出ているが、そのときは法律家になろうと思っていたのだろうか」とか。なかには芥川龍之介や太宰治のように自ら生命を絶ってしまった人気作家もいます。そんなときには自殺について自分の考えることを書いてもいいですね。いろいろ書けそうですよ。

 そして最後に、その本を読む以前と以後と自分のなかで何が変わったかを見つめて書きましょう。比喩を一つ学んだだけでもりっぱな進歩です。この本に出合ってよかったと書いてください。
 読みたくない? うーん、困りましたね。どうしても読む時間がないというのならーー最後の手段ーー真ん中の十数ページと最後の十ページだけ集中して読んでみてください。何とかなるはずです。
 
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2009.08.18 10:32

 困っていますね? 字数が埋まらない? うーん、それは大変。今日は徹底的に実用的なヒントを書きます。これを読んでくれてよかったと思うはずです。

①まず、課題図書を手に入れた状況について書きなさい。どこで買ったのかどんな格好でどんな気持ちで出かけて行ったのか、天気はどうだったか、お店の人はどんな様子だったか、つまらないことのようで読んでいる人はそういうところが面白いのです。

②次に作者についてうんと詳しく調べて書きなさい。インターネットですぐにわかりますが、一つだけでなくいくつか読んでご覧。けっこう興味が湧きます。

③全体の感想だけでなく、印象的な箇所を二箇所ぐらい四~五行本文から抜粋して、気に入った理由、気味悪く思った理由、おかしかった理由などを書きます。抜粋の前後は一行ずつ空けます。

④最後に本を読んで学んだことを書きなさい。面白かっただけではいけない。一冊読めば一冊分あなたは進歩しているはずです。これこれこういうことを考えたという自分が変化出来そうな要素(やさしく生きたいとか自分に厳しくしたいとか)を結論として書きなさい。

⑤おまけです。「~と思う」という表現はすべて削除しましょう。別の表現(~ではないか、~と言えるだろう、~に違いないなど)に改めましょう。

 私がいままでは自分の目の前の生徒にだけ教えてきたマル秘テクニックですが、絶対にうまくいくはずですので頑張って書いてみてください。もちろん自分なりに書けるという人はいままでのやり方通りでいいのですよ。心配しないように。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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