2020.01.23 09:53

 どういう職種でも同じだと思いますが「お客さま第一」ということを掲げていない職場はまずないでしょう。それは教育産業も同じですね。ただちょっと難しいところもあって、たとえば生徒が「宿題は減らしてほしい」とか「解くのが大変だから答を見せてほしい」とか「授業中でも少しぐらい飲み食いさせて」とかおっしゃっても、お客さま第一ということでほいほい許可してしまうわけにはいかなかったりもします。
 まあ、ときどきびっくりするようなことを要求してくる生徒はいるものです。まだ小中学生ですからね。
 
 もっとも規則でできないのだと説明すると、彼らも素直に納得してくださる。トラブルになるようなことはありません。
 もう20年近く昔ですが、真夏に冷房をつけないでほしいと要求してきた生徒がいました。アレルギーがあって冷房を受けつけない体質なのだそうです。ただ20人以上いるクラスですから当然室内はすごく暑くなる。はじめは完全に冷房なしでやるつもりだったのですが、みんながひどく暑がるので(私は平気でした)少しだけつけていいかと訊きました。
 
 窓も開ければ大丈夫ということだったので、窓を開け冷房をつけた。効いているような効いていないような微妙な感じでした。こうした場合、特定のお客さま第一がほかのお客さま第一には全然ならないわけで、判断が難しいところがあります。
 大切なのは、場をおさめる人間が場の空気をどれぐらい和ませられるかという部分です。暑い暑くないという問題以上に、全体が弱者のために「でも、これぐらいなら我慢できるよ」と考えてくださる気運をどれぐらいまで起こせるか。
 
 私個人はリーダーという言葉はあまり好きではないのですが、場を支える人間にはそういう配慮がないとだめだと思います。夏に暑いのはあたりまえで、特異体質の方が少数いらっしゃっても圧倒的にそうではない人間のほうが多いわけですから、多数決的に考えて少数派は我慢しなさいという考え方には一理あります。しかし、あえて少数派(この場合はひとりだけ)を守る姿勢を見せていく過程で、全体からの妥協点を引き出す力ですね。
 何かの形で自分が弱者の立場になったとしても、ここにいれば安心だと皆さん感じてくださったかもしれない。
 
 そういう意味で、昔の宗教家なんかは立派でした。リーダーの資質云々と騒がなくても、ご自身のいらっしゃる空間で起きたすべての出来事はご自身の責任だと考えていたという話が伝わっています。現在のさまざまな分野の、いわゆるリーダーと呼ばれている人たちとの違いを感じるときがあります。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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