2020.01.11 00:43

 東京をほとんどご存じない方もいらっしゃるでしょう。以前、地方から上京された方から東京という特定の繁華街があると思っていたので、びっくりしましたという話をうかがったことがあります。その方の認識だとーー田舎はそうですからーーせいぜい東京駅の周辺がにぎわっている程度かと考えていた。東京駅のすぐ近くに新宿だとか渋谷だとかというよく聞く地名の繁華街があると勘違いされていたそうです。
 あちらこちらに独立した巨大な繁華街がある都市は想像できなかったとおっしゃっていました。
 
 渋谷の雑踏を歩いていると、ひっきりなしに他人の話し声が聞こえてきます。これまた想像しにくい方がいらっしゃるかもしれませんが、つねに人であふれているのです。駅から教室までは徒歩でほんの数分程度の距離ですが、ふだんは間違いなく3桁の人間とすれ違ったり同方向に歩いたりします。
 そもそもスクランブル交差点を1回渡るだけで、それぐらいの人数の方を目撃することになります。地方都市では、あまりない現象ですね。
 
 ですから話し声も重なるように聞こえてくる。不思議なもので、聞く気がなければ雑音でしかありません。私も基本的にはとりとめのない他者の会話を注意深く聞いても仕方がないので、ほとんど聞いていません。
 ただときどきふと耳に入ってきてしまう不思議な会話があり、あれはいったいどういうことだったのだろうと考えてしまう。つい最近はこういうのがありました。男性同士の会話だったのですが、周囲に人が多すぎて会話の主は特定できませんでした。
 
 若い男性の声でこう言った。「おごってくれなくてもいいからさ、おごろうとしていたぶんだけ、悪いけどいますぐ現金でおれにくれないか」
 ずいぶんな話じゃないかと思ったので、耳に残った。相手の方も何か答えていたようですが、何をおっしゃったのかはわかりませんでした。合理的と言えば合理的な考え方なのでしょうし、ひょっとしたらいまの若い方にはある程度自然な発想なのかもしれませんが、昔だったらちょっと問題にされたかもしれません。
 
 おかしな会話でこういうのもありました。これまた渋谷の雑踏で聞いた。
 数人の学生さんらしきグループでした。「カラオケ行こうぜ」「お、いいねー」「だろ? あそこにカラオケのナの字が見えたからさ」「・・・カラオケにナなんて字入ってないじゃん」「お前っていつもそうな」
 歩きながら私もなるほどカラオケにナという文字は入っていないなと確認してしまいました。お前っていつもそうなと言われていたので、仲間うちではケアレス・ミスが多くて有名な方なのでしょう。
 
 街なかで退屈なときは周囲の会話をじっと聞いてみてください。けっこう楽しめたりしますよ。
 
 
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この記事へのコメント

  • 1, 空蝉世人さん 2020.01.11 09:46
    私は五十路を過ぎていますが「剥き出しの現金を贈るのは失礼」という意識があります。親からそう躾けられました。正式なご祝儀は別として、寸志などは敢えて品物で贈るのがマナーだと。お金にまつわるある種の美意識だと思います。あれこれ考えて贈り物を選ぶのは楽しいですが、相手の好みの問題もあるので、引き出物やお歳暮類にカタログギフトが登場したのは画期的でした。商品券は額面が明らかなので殆ど現金と同じ感覚です。間もなく卒入学シーズンですが、ピン札が来たら取って置こうなどという感覚も、電子マネーの世の中に消えていくのかもしれません。それが良いとか悪いとかではなく、生々流転に一抹の感傷を覚えます。
  • 2, 長野先生さん 2020.01.11 23:42
    空蝉世人さま

     こんばんは。
     そうですね。いただきものをすぐにばりばり開けたりしてはいけないというようなことも教わったような気がします。プレゼントだよ、早く開けてごらんよという現在の風潮とちょっと違っていたかもしれません。
     時代劇なんかでわいろの金貨をお菓子の下に忍ばせたりしていますね。よくないことではありますが、昔は日本人特有の「包み隠す」美学が働いていたのだなと思ったりします。

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