2019.12.14 00:41

 すごい人というのがいますね。どの世界にもいる。何をすごいと思うかは人によって違いますが、好き嫌いは別にしてとにかくすごい人というのは存在するものです。ところが、すごい人は同時代的には100%理解されないこともしばしばあります。さほどの人気はなかったとか、同じぐらいの評価の人がたくさんいたとか。
 亡くなってから後世の人が「何だかこの人はすごい!」と再発見する。そうした傾向があるような気がします。
 
 1960年代後半から1970年代半ばにかけて、日本ではイギリスのシンガー、トム・ジョーンズがすごい人気でした。「ディス・イズ・トム・ジョーンズ」というテレビ番組を真夜中に放映していたので、中学生だった私も見ていました。ゲストでジョー・コッカーが出た回もジャニス・ジョップリンが出た回もザ・フーが出た回も、私はリアルタイム(?)で見ていましたよ。
 トム・ジョーンズのエネルギッシュな歌いっぷりを見て、多くの東洋人が日本でもこういう歌手が出てくればいいのにと考えていた。
 
 実際「日本のトム・ジョーンズ」だとか「和製トム・ジョーンズ」だとか名づけられた実力派の歌手が複数いらっしゃって、トム・ジョーンズのヒット曲をテレビで歌っていました。いちばん多かったのは、日本国内最大のヒット曲だった「ラヴ・ミー・トゥナイト」でしょうか。「トライ・ア・リトル・テンダネス」だとか「デライラ」だとか、ちょっとひねった歌を歌われていた方もいました。
 現在それらの映像をネットで見ることができます。
 
 あらためてこの人は別格だと感じるのが数年前に亡くなられた尾崎紀世彦さんです。私は当時もこの人のことが好きは好きでしたが、本当のすごさがわかってきたのはずっとあとになってからです。
 尾崎さんのすごいところは、たとえば「ラヴ・ミー・トゥナイト」をトム・ジョーンズに似せて歌おうとはしていないところです。少年時代の私にはそれが物足りなかった。その気になればできるだろうに。ところがいま見ると尾崎さんは、トム・ジョーンズより自分の解釈のほうが上だという自信があったのではないかという気がします。
 
 当時、「ラヴ・ミー・トゥナイト」の「あー!」という特徴的なため息を日本の歌手は多かれ少なかれ真似していました。トム・ジョーンズが歌っているのだから、そうするものだろうというすりこみがあったのでしょう。尾崎さんだけ一切入れていません。こういう曲だからこそ上品に歌うのだという信念を感じます。
 晩年の映像も見ましたが、60代後半最後の最後まで歌声は衰えなかった。空前絶後のシンガーだったのではないかと思いますよ。
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この記事へのコメント

  • 1, Gさん 2019.12.26 02:45
    トムジョーンズはウエールズ、すなわち、イギリス人です
  • 2, 長野先生さん 2019.12.26 09:28
    Gさま

     こんにちは。
     そうでした、そうでした。エンゲルベルト・フンパーディンクと双璧でしたね。完全にうっかりしていました。ありがとうございます。本文も直しておきます。

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