2019.08.14 07:54

 ときどき消しゴムのかすを丁寧に集めてゴミ箱に捨ててくださる生徒がいます。女の子に多いですが、極端に珍しいわけでもありません。各クラスに1人ぐらいはそういう子がいます。講習は朝から晩まで続きます。おそらく次に机を使用する方のことを考えてくださるのでしょう。いちいち意識しなくとも「そういうものである」という姿勢ができているわけですね。
 気づいたときに「ありがとう」とこちらも声をかけるときがありますが、恥ずかしそうになさるのでとくに何も言わないときも多いですかね。
 
 かたや飲み物の空き缶やペットボトルなどをそのまま放置して教室から帰ってしまう生徒もいます。足もとにころがっている。ひどいケースでは机の上に置き去りにする。中の液体が残ったままという場合もあります。こちらはやはり男の子に多い。
 どうなのですかね。私はべつに腹をたてたりはしませんが、そういう姿勢であたりまえに生きていって結局困るのはその子自身ではないかという気持ちもあるので、気づいたら自分で捨てておきなさいと静かに告げます。
 
 反抗的な生徒はまったくいませんが、中には「置きっ放しではいけないものか?」とびっくりしたような顔をする子もいないことはない。
 私は消しゴムのかすを自分で集めて捨てる子が全員優等生で、ゴミを放置したまま帰ってしまう子が全員成績が落ちていくというような乱暴な意見は持っていません。ただ両者は相当違います。生活の基本的な習慣であるとか、他者に対する思いやりであるとか、いわゆる社会生活におけるマナーであるとか相当違う。そしてまた心の状態が違う。
 
 おそらく放置しておくタイプの方は、どこかで大人に注意されているでしょう。1度も注意されないとしたら、身近にいる大人の愛情不足による怠慢ではないかとさえ思います。自分で出したゴミは自分で片づけなさいというのは当然のルールというかマナーですね。
 ご本人が大人に指摘されて「うるせえな!」とものすごく反発するとしたら、それはその子の精神生活のほうに問題があります。あたりまえのことがそんなに腹立たしいのは、心の底に得体の知れない怒りがたまっているからでしょう。
 
 その怒りはゴミを捨てる捨てないとは別のことが原因になっているはずで、周囲の大人がそこを理解して導いていかないとなかなかいい方向に改善しない。たとえば世の中には「愉快犯」と呼ばれる人たちがいますが、どろどろした不満や怒りのはけ口として悪質ないたずらをせざるをえないわけで、いたずらの悪質さだけを説明してもどろどろしたものが浄化されなければ根本的な解決にはつながりません。そのあたりは難しい。身近な人間は、彼らの背景も感じながらアドヴァイスする必要がありそうです。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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