2019.06.18 01:10

 講師時代の話ですから20年以上昔のことです。ある塾の先輩(教科は私と同じでした)が後輩講師のことを非常に悪く言っていたことがありました。あの先生はだめだと決めつける。酒席での話ですし、細かいところは忘れてしまいました。ただ、授業が雑である。生徒や父兄にひたすら迎合している。塾の偉い人たちにおもねってばかりいる。ところが周囲が見る目がないものだからいい感じに重用されて・・・
 ああなったら終わりだよ。若いくせに進歩がないとおっしゃるのですが、正直なところ私が感じたのは単純な嫉妬心でした。
 
 よくある話で、批判する対象が「自分がそうなれずうらやましいから」ということから激烈に非難してしまうことは世間にはよくありますね。
 ときどき「世の中にはずるいことをやってうまい汁を吸っている奴がたくさんいる。自分なんかこんなに正直に生きているのに」という嘆きを耳にすることもありますが、どこかに自分もできることなら多少ずるいことをしてでも儲けたい。そういう仲間に入れないものだからやたらと批判する、というケースもあるのではないでしょうか。
 
 ですから、批判的な気持ちが起きたときには私は冷静に自己分析するように心がけています。するとだいたいは同じような「変な」芽に気づくことがあり、その後を調整することができます。
 また、あることで騙されたという知人がいました。彼は「自分は全然悪いことをしていないのに」と嘆くのですが、私にはその人の人一倍強い欲が十分危険な要因であったと感じられました。つまり「普通ではありえない」儲け方を狙う貪欲さですね。その結果として損失が生じた。
 
 健全に儲けたいという欲求はあっても、「普通ではありえない」方法で儲けたいとは考えない人間も当然います。そういう人は度の過ぎた貪欲さは好ましくないと考えている。だからこそ同じ話にひっかからないわけで、ひっかかってしまった原因の1つが個人の内面にあったのだとすれば、場合によってはその貪欲さにこそ罪があるのかもしれません。
 いつもそうですね。与えたものが返ってくる。
 
 若いころ、女の子にふられるたびにーー私の青春時代はそんなことの連続でしたーー落ち込んだりしたものですが、いま冷静に考えて、太宰治にかぶれて自殺願望を持っている破滅的な作家志望者(私のことですよ)なんかと恋愛したいと考える女性がいるわけがありません。そこにまるきり気づかなかったというのですから、お粗末きわまりない青春でした。
 自己分析はやはり大切だと思います。極端に腹がたったりすることは、その人間の深い何かが触れている可能性があります。
 
Tags :
幼児・小学生
中学生
高校生
高校受験
ソーシャルブックマーク:

この記事へのコメント

  • 1, ドタバタママさん 2019.06.25 20:01
    ありがとうございます。最近は息子の受験期をふり返り、何故あれほどイライラしたのか?と考えることあります。わたしの場合、見たくない心の暗い部分の現れでした。そう気づいてから完全では無いけどイライラが減ってきました。あぶりだしの時期だったのです。息子のおかげで自己を見つめることができ、今は息子の存在に感謝。自己分析はとても勇気が必要で、まるで深い海底に沈んだ錨を見つけに行くようです。どっしりと沈んでる本当の自分=無意識の自我に、気づかないうちに引っ張られてますが、いつか錨を軽々と引き上げられるようになりたいです。自分を大切にし他をも愛することにつながるかもしれず、わたしには大切なお話しでした。未だ見えない自我に会いに行くため又時々ブログにお邪魔します。ありがとうございました!
  • 2, 長野先生さん 2019.06.26 03:33
    ドタバタママさま

     こんばんは。
     そうした意味で子育て自体が大人を成長させますね。私も息子を持ってから、ずいぶん色々なことを学びました。息子の存在が、私の「先生」になってくれている感覚です。ある意味、子育ての醍醐味ということになるのでしょう。

印は入力必須項目です。
※ログインしていると自動的に名前が挿入されます。

名前
URL
Mail
コメント
画像

画像認証 :

※表示されている数字を半角で入力してください。

 

トラックバックURL

トラックバックURL
【トラックバックにつきまして 】
Z会ブログでは、トラックバックにスパム対策を講じております。
Z会ブログの記事へトラックバックを送信する際には、トラックバック元の記事の本文中に、トラックバック送信先の記事の「ページURL」を記載してください。「ページURL」が含まれていないトラックバックは受け付けできません。
なお、一部のブログやサービスからのトラックバックは受け付けできない場合がありますので、あらかじめご了承ください。

プロフィール

プロフィール画像
長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

カレンダー

<<   2019年08月   >>
        01 02 03
04 05 06 07 08 09 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

新着記事

月別アーカイブ