2019.06.14 00:04

 仕事場の机の上にみかんが1つ乗っています。1月に生徒からもらったものです。私の顔ではないと思うのですが、顔が描いてあり長野先生と名前も入っていました。すぐに食べようかなとも思ったのですが、食べてしまうとせっかくの顔をむかないといけない。皮ごとは食べられませんから。
 何となく残酷なような気がして食べることを躊躇しているうちにだんだんしなびてきて、いまは当初の4分の1ぐらいの大きさになりました。
 
 腐るかなとも思っていたのですが、腐りはしませんでした。どんどん水分が抜けていってかちかちになりました。鼻を近づけるとみかんの匂いは残っています。顔と文字も残っています。わかりやすく書くと、みかんのミイラですね。
 何人か気づいた方がいて、これはどうしたのですか? と不思議そうに質問されました。どうしたもこうしたも、深い考えはないままこういうことになってしまいましたとしか答えようがない。どうするつもりですか? とも質問されましたが、どうするつもりもありません。ただ置いておくだけです。
 
 ここまでくると安易に処分できない。捨ててしまうのはもったいないでしょう。そうかといってまさかいまから食べるわけにもいかない。置物(?)として鑑賞するぐらいしか用途はなさそうです。毎日1度は気になって手に取ってみる。日に日に水分はなくなっていく感じです。
 おそらく私がここにいなくなるまでみかんは存在し続けると思います。意図的に片づけることはないでしょうから、必然的にそうなりますね。
 
 私の足もとに、手紙の入った大きなダンボールが2箱あります。2箱目がいっぱいになってきた。ここにはすべて生徒や保護者の方や先生からいただいた手紙が入っています。不思議なもので世の中手書きの郵便物は廃れはじめていますが、手紙を書く人間のところにはたくさん手紙が来ることになっている。与えたものが返ってくるという法則は、ここでも成立しています。
 直接教えていなかった生徒からの手紙もあります。定期的にくださる方もいる。
 
 先日、私のことを信頼していると書いてくださった昔の生徒がいた。もう大人ですよ。他者に対して信頼していると書けるのは、じつはその人間が信頼できる人間だからでもあるのです。与えたものが返ってくる。他者を信頼できる人間は、他者から信頼される何かを持っている。これ以上突っこまずにさらりと流しますが、そういうことです。あなたが信頼できる人なのですよ。
 
 
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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