2019.06.12 00:53

 勉強しなさい勉強しなさいとうるさく言われていやになってしまったという小中学生の方も多いと思います。私もそうでした。小学生のときーー時代が時代ですからーー点数が悪いだけで殴られる。努力が足りないからだと言われるのですが、点数と暴力と努力の相関関係は理解できませんでした。
 やらなければ落ちるだろう。負け犬になりたいのか? みたいなことは言われました。ですが、受かるとか落ちるとかを超えた本質的な概念こそが本当は大切なのではないですか。
 
 なぜ勉強しないといけないのか。
 くわしくは書きませんが、今年ある人から自殺の相談を受けました。相談はメールできました。簡単に書くと、つらいことがあって死のうと試みて失敗した。でも、やはりもう一度死のうと思っているという内容でした。
 夜中の3時ぐらいにメールに気づいて、私は返事を書きました。相手からもすぐに返事がきて、しばらくやりとりした。直接話してもよかったのですが、少し距離をとりながらのほうがいいという判断も働いた。
 
 具体的に何をどう書いたかは省略しますが、間違いなく勉強してこなかった人間には書けない内容です。この場合、勉強というのは文学や哲学や宗教学や死生観みたいなものですね。変な表現になりますが、自分は自殺についてはそれなりに勉強してきたつもりです。だから、慌てずにその場できちんとした意見を送ることができた。
 これが全然勉強していなかったら「死ぬのはよくない」ぐらいしか書けなかったと思います。何も発信していないのと同じですね。
 
 ところがたとえば不動産。10年ぐらい前、現在借りているマンションのことでちょっとしたトラブルがありました。私たちに落ち度がないということは弁護士さんに相談してはっきりしたのですが、はじめはまったくわかりませんでした。そうしたことを私は一切勉強してこなかったからです。不動産の契約関係の法律ということになるのでしょうか。弁護士さんに相談したらそれこそ10分もしないうちに「何も心配ないですよ」と笑われてしまうような簡単なことですら、何日もあれこれ悩むはめになりました。
 
 要するに「生きていく力」とでも言うのでしょうか。そうしたものを少しずつ身につけていくのが勉強することであり、バランスよくたくさんやればやるほど全分野で強くなれます。それこそ家族の誰かが倒れたり、お金が足りなくなったり、仕事がなくなったり、好きな人にふられたり、場合によっては戦争が起きたり深刻な事件に遭遇したり・・・そのとき、さまざまな勉強が総合的な人生観となってあなたを守ってくれるはずです。人はお金以上に、人生観によって守られるのだということを忘れないようにしてください。
 
 しかしいきなり「人生観」では教科にまとめようがありません。そこで学びやすく「国語」「社会」「英語」「音楽」・・・と細分化して専門の教える人をあてた。しかし、いずれは統合されて「人生観」となり、1人1人がそれに従って物事に対処していけるようになるはずです。
 人生観の引き出しが多ければ多いほどさまざまな状況に対処していくことが可能になるでしょう。亡くなるときにまったく動じない方がいますが、わかりやすく書けばそこまで勉強されたということです。
 勉強したほうが得ですか? サボったほうが得ですか?
 
 
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この記事へのコメント

  • 1, 名無しさん 2019.06.12 09:57
    先生に「徳」があるからそのようなご相談が寄せられるのでしょうね。「徳」を積むのもまた勉強することの理由になるような気もいたします。
  • 2, 長野先生さん 2019.06.12 11:06
    名無しさま

     こんにちは。
     徳ではないでしょうが、なんとなく私に話したくなったのでしょうね。仮に私自身がそういうことを考えたら、やはり私のようなタイプの人間に話したくなるようには思います。
  • 3, nogusaaaanさん 2019.07.29 05:40
    自分もそういう相談を受けたことがあるけれども、死んではいけないしか言えませんでした。で、それは何も発信していないのと同じだったとは!
    勿論、専門家ではありませんから、全てを一人で負うことは出来ないけれど、では、一体どうするべきなのでしょうか!?
    先生のブログを読んで、共感は出来ないけれど、マイノリティの思考回路みたいなものは分かるようになってきました。勉強になります。
  • 4, 長野先生さん 2019.07.29 08:12
    nogusaaaanさま

     こんばんは。
     まあ、そういうのはそのときどきですからね。死にたいという感情を肯定も否定もせず静かに受けとめる度量みたいなものは、必要になってくるときがあるかもしれません。ある意味、深い友情がないとなかなかできないですね。

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