2019.05.24 09:06

 ときどき何を言いたいのかわからない中学生がいます(責めているのではないですよ)。こちらとしては助け舟を出して話を聞くのですが、いっこうに要領を得ない。緊張してというより、大人と話し慣れていないのですね。このままでももちろん最後の最後は大人になるものですが、それにはかなり時間を要するのではないかという若干の心配もあります。
 具体的に書くと「あの、これ・・・やってみて・・・でも・・・」みたいな会話ですね。何が何だかわからない。
 
 こういうのは訓練というか慣れが必要なのですが、たとえば作文が上手に書けない子どもたちがほぼ例外なく根本的に読んできた量が足りないように、上手に話がまとめられない子どもたちは上手に喋ってもらってきた経験が乏しい傾向があります。周囲の大人たち(多くはご家庭や先生)がきちんと彼(彼女)に会話を投げかけてこなかった可能性がある。
 コミュニケーションがないという意味ではないのですよ。コミュニケーションはあった。ただそれが整然とした会話体ではなかったのかもしれない。
 
 あれをやれ、これはだめだといった一方的な命令口調、どうしてこんなこともできないんだ! と感情をぶつけるだけの表現、あなたはいつもいつもこうなんだからというような愚痴・・・どれもこれも整然とした理知的な会話ではないわけで、来る日も来る日もそんな会話をぶつけられていたら、大人ときちんと話すことができるようになるわけがありません。
 たとえば、仮に30点をとってきたとしますね。落ち着いて理性的にはっきりと「おいおい、これはどうなっちゃったのかね?」と質問する。
 
 やみくもに怒っているわけではないんだよ、と安心させる。自分も昔似たようなときがあったんだ、とご自身の失敗談も述べる。そのときすごく困ったからお前にはそんな思いをさせるわけにはいかないな、と点数を指摘する理由を述べる。そもそもどうしてこうなったのだろう? とご本人に原因を考えさせる。そのうえで塾の先生に助けてもらったらどうだろう? と解決策を提案する。
 ところどころユーモアを入れていく気持ちも大切です。明るい展望が見えてこそ、大人の会話は続いていくものです。
 
 人間、いろいろなときがあるさと大きな洞察も与えてやってください。なあに、まずかった部分はこれから修正していけばいいだけの話だよ。
 そうやって日ごろからきちんとした「会話」を受けとめて育っていれば、特別なことがない限り必ず落ち着いて話せるようになります。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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