2019.04.17 00:51

 先日、玄関前で長い時間立たされていた小学生のことをご近所の方が警察に通報して保護されたという事件があり、いろいろ考えさせられました。ほかにもさまざまな体罰があったらしく、この件はどなたかが気づかれてよかったと思います。だんだんエスカレートしますからね。
 この種の体罰の効果は本当に疑問でしかなく、根本的なものは何も期待できないですね。じつは私も小学生時代にお隣のおばさんに助けてもらったことがあり、そのときのことを思い出しました。
 
 あれは小学校1年生か2年生のときでした。私はあることで母親に叱られて自宅に入れてもらえなかった。玄関ではなく人目につかない縁側のところにずっと立っていなさいと言われ、少なくとも昼すぎから暗くなるまで立っていました。泣いていたのでしょうね。見るに見かねたお隣のおばさんがわざわざいらしてくださって、私に「おばちゃんから謝ってあげるからおうちに入ろう」とおっしゃってくださった。
 どういうやりとりがあったかは忘れてしまいました。自宅には入れたものの、母はまだ私を許さない。
 
 柱の前でずっと立っていろと言う。父親が帰ってくるまで動いてはいけないとも言う。もちろん飲まず食わずです。トイレはどうしたのか覚えていません。自宅でも2時間以上立っていたと思います。
 理由が非常に複雑でした。私はある同級生を助けたのです。簡単に書くとそういうことになります。いたずらをしたわけではない。その子には感謝されました。ところが私の両親は以前からその子とはつきあってはいけないと私に強く言っていた。理由はよくわかりませんが、成績がどうのこうの程度のくだらない理由だと思います。
 
 その禁をどうして勝手に破ったのかというのです。その子のお母さんから私の母に「ありがとうございました」という電話が入って、親切が発覚した。父が帰ってきてなぜそんなところに立っているのだと理由を訊く。ここからまた殴られたりするのかと思うと、脱力してまともに喋れなかったことを覚えています。
 こういう悲劇は、つねに起きているような気がします。親の気まぐれな好き嫌いが善悪に直結してしまう。親だけではないですね。先輩、先生、仲間、上司・・・の好き嫌いだけで善悪、処遇、人生までが決まる。
 
 まあ、それこそ忖度忖度忖度で終始する一生になっていきかねないですよ。窮屈に育てば、処世術としてのご機嫌取りだけはとてつもなく上手になるかもしれません。ただ真理だとか、本質だとか、善や正義だとかは人生の目標と関係なくなってしまう。つねに目の前の人間の歓心を買うことがすべてになりかねない。正義や真理を尊ぶ人間は巻きこまれまいとするでしょうから、自ずからアウトサイダーの位置に甘んじるしかないというケースも出てくるように思います。偉くなれない? ひょっとすると、それでもいいのかもしれませんよ。
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この記事へのコメント

  • 1, よちままさん 2019.04.17 12:49
    長野先生、私には、手を差し伸べられなかった経験が二つあります。10年ほど前、道路で母親に怒鳴られている小学生の男の子がいて、凍り付いたような無表情な顔でしたが、私は何もできず通り過ぎてしまった。2年前、娘の小学校最後の授業参観で、両親家族への感謝の手紙を読むという授業がありました。ひとりずっとつらそうに、手に顔をうずめていた男の子の読んだ手紙は、「学校に通わせてくれてありがとう、文房具など必要なものを買ってくれてありがとう」というものでした。とても気になりましたが、結局何もせずに卒業式を迎えました(娘は転入してきたためクラスで友人があまりおらず、その子が誰かも知らないまま、私立に進学してしまいました)。あの子たちが、どこかで、親たちの価値観を捨て去って、強く生きていてくれることを願ってやみません。自分にもう少し勇気があったら、と悔やみます。
  • 2, 長野先生さん 2019.04.18 02:39
    よちままさま

     こんばんは。
     そのへん難しいですね。何もおっしゃらなくても仕方がないように感じます。

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