2017.03.25 00:31

 最年少でプロになられた中学生棋士藤井四段が勝ちまくっているみたいですね。10連勝で負け知らずと出ていました。私は「将棋世界」という雑誌で藤井四段のインタビュー記事を読んだのですが、とにかく将棋が楽しい、他のことがやりたくないぐらい夢中であるという意味のことが書かれていました。
 こういう相手には勝てないでしょう。「歯をくいしばって」とか「努力に努力を重ねて」とかという心理状態ではないのですから。
 
 ただ楽しい。夢中になれる。他のことをしているのがもったいない。
 自分も将棋が好きですが、いちばん夢中で勝てた時代(もう何十年も昔です)でも「努力」をしなければという感覚がありました。楽しいは楽しくても「努力」と名づけられる抵抗感はつねに抱いていました。いつまでも遊んでいないで、少しは将棋の勉強をしなければという感じですね。あるいは早く遊びに行きたいが、我慢して将棋の勉強を先に片づけようとか。
 
 好きでも他のことをやりたいのを我慢してもいる。他のことをしているのがもったいないという心境にはなかなか行き着かないものです。
 年下の知人に学生強豪がいたのですが、毎日毎日道場で研鑽に励んでいました。学割の定期券で安く入れるのです。試験期間中でも必ず顔を出す。指すだけではなく、詰め将棋を考えたり棋譜を研究したりしていました。私なんかだと3日も連続すると飽きてくるのですが、そういうことがまったくない。もちろん私より圧倒的に強くなりました。
 
 将棋だけではないですね。
 皆さんにそうしなさいと言いたいわけではないですよ。しかし、努力を意識しているようでは本当にそのことが大好きな人間にはかなわないと思います。勉強がそんなに好きな人がいるものなのだろうかと考える方もいらっしゃるでしょう。実際、そういう子は存在します。過去何人も見てきました。英文だったら何時間読んでいても疲れないとか、入試問題は何年分解いても楽しいので昭和までさかのぼってしまったとか、昼から勉強していて気づいたら周囲が暗くなっていたとか、すごい子がいることはいます。
 
 そこまで学問に没頭できるということは、たとえば研究者や学者さんなんかにはすごく向いているでしょう。ただ全員が学者さんになってしまったら世の中は成り立ちませんから、もちろんいろいろな方がいらっしゃっていいですね。
 得意にしたいものに関してはそうした側面を少しだけ意識されておくのも役にたつと思います。要するに好きなのです。努力ではなく、好き。頂上にいるのは、ほとんどがそのことを心から好きな人たちでしょう。
 
 
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この記事へのコメント

  • 1, ヒルマさん 2017.03.25 13:38
    藤井四段と同じく14歳でプロ棋士になられた加藤一二三九段も、時折お見かけするツイートなどから『そのことを心から好きな』ご様子がありありと伺われて、誠に微笑ましいですね。順位戦での成績が振るわず、規定により現役最高齢の引退が確定してしまいましたが、たとえ負けが込んでも『ただ楽しい。夢中になれる』ことを生業と出来た「育ち方」に、何某かでも肖りたいと考えさせられました。

    進路について打算や思惑が働くのは、ある意味で当然至極とは思いますが。子ども自身が『得意にしたいもの』に関しては『他のことをしているのが もったいないという心境』の純粋をこそ、出来うる限り大切にしていきたいです…

    年度初め一層のご多忙を押して、連日深夜・早朝の更新をありがとうございます。今年度も益々のご活躍をお祈り申し上げております。
  • 2, 長野先生さん 2017.03.25 23:41
    ヒルマさま

     こんばんは。
     加藤一二三先生は過去1局も恥ずかしい将棋はなかったと、笑顔で断言されていました。そこまで言いきれてしまうのはすごいと思いましたよ。
     いつもありがとうございます。感謝いたしております。

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35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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