2014.07.21 11:16

 国語の答案を見ていて点数のとれていない子は頭が悪いとか勉強ができないとかではなく、若干感覚のズレが生じているなと感じることがあります。よくあるのは「まだまだ子ども」という例で、涙を流していたという記述を見てすぐに「悲しがっている」と判断してしまったり笑っていたという記述を見てこれまた単純に「喜んでいる」と判断してしまったりする。
 涙や笑いの陰にある何かを想像しなければいけないとは思いもよらない。ご自身の生活でもまだ「ただ笑うしかない絶望感」みたいなものに襲われた経験は乏しいのでしょう。
 
 こういうのは大人になってくれば自然にわかることですが、本当は小さいときおうちでちょっと話し合いがあるとよかったかもしれません。小学校の低学年ぐらいですね。テストのミスについておうちの方が「どうしてこう考えたの?」とご本人に説明させる機会があってもよかったと思います。
 もちろん追いつめたらいけないのですよ。叱るのではなく、なるほどそんな風に考えたのはすごいねとか世の中の人はこんな風に考えるものではないかとか、ミスをネタ(?)にして人生をあれこれと考えさせる機会があってもよかったという意味です。世間一般の見方とのズレを意識させるだけで効果があります。
 
 さすがに中学生(高校生)ぐらいになるとそうやってのびのびとおうちの方とお話する機会もないでしょう。それこそ「こんな簡単なことがどうしてわからないのだ!」と喧嘩になってしまったら逆効果です。そんなことなら何もおっしゃらないほうがいい。
 ですから、中学生や高校生の方はご自身で正解を見て(あのとき自分はこう考えたのだが、一般的にはこんな風に考える人が多いのか)と吟味してくださるといい。間違えという意識は強く持たず、面白がって遊ぶ感覚ですね。
 
 私のところによく来てくださる生徒がいて、ご自身のノートを見せてくださいます。ミスしたところを私が訊く。「ここは難しいからできなくてもいいけど、ここはどうして間違えた?」という具合に。
 すると彼(彼女)なりの考え方を披露してくれます。小さな勘違いがあったりします。なるほど確かにここに少しだけ書いてあるもんなと認めたあとで、後ろのほうの意見が強くなってしまうものなんだよと雑談程度に告げる。ああ、そうですか・・・で帰っていきますが、そんな振り返りだけでも役に立つものです。
 
 感心しないのは自分でもどうしてその答を選んだのかはっきりしない場合です。試験中気持ちが入っていなかったか深く考えずにもっともらしいものを選んでしまっただけなのか、とにかくじっくり考えていなかった。そんなケースも案外多い(人生でもじつに多い)という事実にまず気づく必要がありそうです。
 条件反射のようにぽんぽん選んでいるだけでは正解に達しないのも当然ですね。どうして自分はこれを選んだのかということを明確に思い出しながら正解と見比べていく。少しずつズレみたいなものは矯正されていきます。
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この記事へのコメント

  • 1, appleさん 2014.07.21 21:23
    この度Z会のイベントに参加しました。今は高校生になった上の子の高校受験時からこちらのブログのファンで、幸せに生きるヒントを沢山いただいてきましたので、今回初めて生の長野先生にお会いでき、一人で感激しておりました。先生がお話下さった内容、今日の記事とリンクする部分もあり、大変参考になりました。他の先生の説明中も、長時間だったにも関わらず最後まで椅子に座ることなくスッと立っていらっしゃいましたね。ご体調が気になりましたが、疲れたとかだるいとかいうような雰囲気は微塵も感じさせず、その気品ある佇まいがブログから伝わってくる先生のお人柄とピッタリ一致した気がしました。(お声は想像していたよりも高音でした(笑)。)
  • 2, 長野先生さん 2014.07.22 06:30
    appleさま

     おはようございます。
     どうもありがとうございます。
     そうですね。基本は立っています。何か・・・授業のときもそうですが、一種のクセみたいなもので深い意味はありません。ただ深い意味のないことが、個々人のなかで深い意味を帯びてくることもあります。そういう感じかもしれません。
  • 3, ななこさん 2014.08.05 22:11
    別教室ですが子供が3KでZ会の世話になっております。国語の読解がとにかく苦手で、どうしたものかと思案中です。確かに、感覚がずれているなと、会話していても感じます。

    小学生低学年の時からそうでした。「おおきなかぶ」のテストで『みんなはなんといっていますか』(正解は『うんとこしょ、どっこいしょ』)という設問に対して「おいしいといっています」と回答していました。なぜそこまで飛躍したのか尋ねたら、テスト用紙に調理されたかぶをみんなで食べているイラストがあり、その絵を見て「おいしい」といっているにちがいないと思ったそうです。

    当時は笑って終わりでしたが、今は笑いごとではなく、本人は国語のテストが返ってくるたびにどうしたらいいのかわからないと泣いており、
    受験まであと半年と思うとあわててしまいますが、おちついて、何がずれていたのか一緒に考えてみたいと思います。
  • 4, 長野先生さん 2014.08.06 08:23
    ななこさま

     おはようございます。
     点をとろうと力まずに、文章を楽しむ、文中の言葉や思想を自分のものにするという意識を持たれるといいと思います。私はよく生徒に「すべての表現を自分のものにしなさい」と言うのですが、点数にとらわれなくなると逆に点が上がってくるものです。
     この瞬間から、楽しもうという気持ちを持つようにお伝えください。人生と同じです。
     

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35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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