2012.05.23 13:35

 先日、「才媛」というタイトルで卒業生と食事に行く話を書きました。彼女は高校受験、大学受験ともに大成功したわけですが、話しているうちにとくに中学時代の塾の勉強は本当に楽しかったという感想が出てきました。あのころがいちばん楽しかったとまでおっしゃっていた。
 成績のいい生徒はみんな「勉強が楽しい」という表現を使います。楽しければ得意になるのがあたりまえですが、このあたりの事情についてちょっと考えてみたいと思います。

 楽しいという感情。必ずしも勉強が「好き」とは言っていません。そもそもこの世の中に、どの教科もどの教科もまんべんなく大好きな中学生が存在するものでしょうか。きわめて例外的な存在ではないかと思います。
 どなたも好ききらいはあるでしょうし、勉強より好きなことーーたとえばスポーツとかゲームとかーーもたくさん持っているはずです。それでも彼らは勉強が「楽しい」と表現する。

 一つには「塾の」仲間との切磋琢磨があるのですね。塾ですから、みんな勉強しに来ています。学校とは少し違う。サボり気味の生徒でも、塾に通いながら永遠にサボっていられるとは考えていません。言ってみれば「勉強部」としての「部活的楽しさ」があります。とくに中学生対象の塾は全教科丸抱えみたいな状況になるため、週に3回4回と同じ仲間と顔を合わせる。自分一人だけが勉強させられているわけではない。楽しいはずです。

 さらに努力の実りがうれしいという心理があると思います。ここは大切です。努力が実るとなぜうれしく感じるのか。
 自分自身の価値を再確認できるという側面が大きい。おれは(私は)頑張れるじゃないかということを改めて確認する。それは非常に大きな一歩だと思いますよ。当然周囲も徹底的に評価してあげないと。そのことで彼らに刺激を与え、心の栄養をつけてあげるわけです。

 たとえばZ会進学教室の漢字テストは20題出題されます。毎週のように20とるすごい生徒もいれば15、16ぐらいの生徒もいる。ちょっとつめが甘い感じですね。さらに毎週ではありませんが、忙しくて12ぐらいの生徒もいる。先週12しかとれなかった子が今週は16とった。4つ分努力をしたということで、私はこういうのは大変な進歩だと思っています。そういう努力に対しては「満点をとりなさい」ではなく、よく頑張ったと必ず伝えます。必ず、です。

 本人もいい気分ですし、先生からも褒められた。周囲の友だちにも、今日は8割もとれているのかと認められる。そうした実りに対するうれしさがすべての原動力になるのですね。勉強そのものというより、勉強にまつわる環境が好きという感覚でしょうか。そういうところを大人は意識的に伸ばしてやらないと。
 いちばんまずいのは「そんな点数で喜んでいるようじゃお話にならない。何々君なんかいつも満点じゃない」などとくさしてしまうことでしょう。他者との比較というのは著しく人間の尊厳を損ないます。逆に最短で勉強ぎらいにさせるコツみたいなものですから、本当に気をつけなければいけません。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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