2012.05.21 13:20

 自分なんかは、まあ変人ということになるのでしょうね。ときどきそう言われることがありますし、自分でもいわゆる普通の50代の人とはちょっと違うかなという感覚はあります。普通がつまらないのですよ。で、わざとずらすというか、偏ってみたりするわけです。
 友だちの選び方なんかもそうでした。少年期は少しみんなに敬遠されているような人間と親しくなりました。そういう人のほうが話が新鮮で面白いのですね。

 私自身は人あたりは昔からいいほうなので敵がいるわけではない。ときには「友だちはいくらでも作れるだろうに、なんであんなやつとつきあうのだ」と質問されたりしたこともありました。あんな気難しい人間とつきあうことはないじゃないかというのですね。ところが、こっちはその相手の気難しさが面白かったりする。異性に対してもそうでした。あのころは相手が偏っていれば偏っているだけ親しみが湧きました。

 そして、長くは続かない。そんな友情は長くは続かない。本来的な愛情から結びついたものではなく好奇心から近づいただけなので、相手の秘密みたいなのが見えてくると急速に興味を失いました。もういいやということになる。
 相手もそうだったのでしょう。飲み友だちが20代30代とずいぶんできましたが、1人も残っていません。あれはあれで終わりです。

 さまざまな情景が記憶に残っていますが、そうした友人のうちの一人(同性)の自宅で飲んだときのことです。マンションの一室。窓からは巨大な病院の裏側が見えました。もくもくと大量のスチームがたえず噴き出ていました。じつに殺伐とした情景で、外国映画の1シーンみたいな感じです。
 私たちは音楽を聴きながらひたすら日本酒のカップ酒を飲んでいました。会話はあったかもしれませんが、まったく覚えていません。いい加減なつきあいだったのです。

 電灯を消してろうそくのあかりのなかで飲んでいました。カップ酒のラベルの裏側にオランダの写真がついていた。いわゆるお花畑ですね。色とりどりの花が言葉にできないほど美しく、私は酔眼でただひたすらその写真を見つめていました。カップ酒のおまけみたいな陳腐な観光用の写真が、本当に美しく美しく見えたのです。
 そのときの友人のことはよく覚えていませんが、あの写真についてはときどき考えることがあります。自分だけのかけがえのない光景というのが、私にはたくさんあるのです。
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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