2012.03.23 14:18

 だいぶ昔読んだ本に面白い実話が書かれていました。何の本だか思い出せるとよかったのですが。
 先進国の人間がどこかの原住民に短いフィルムを見せたそうです。感動的な人間ドラマ。もちろん言葉は通じませんから演技でわかるようになっていたのでしょう。そして上映後、何が映っていましたか? と質問した。

 すると多くの原住民が「ニワトリが映っていた」と答えたそうです。質問したほうは拍子抜けして「他には何が映っていましたか?」と重ねて質問したのですが、原住民たちは「ニワトリ以外はあまりよく覚えていない」と答えたそうです。
 重要な家畜だったのでしょう。こんなにたくさん元気なニワトリがいて羨ましいなと考えたのかもしれませんね。

 小学校の低学年のころ、地下鉄の駅で絵を描いてくるという宿題が出たことがありました。私は自宅の近所の中野坂上駅(当時は小さな駅で、地上に出たすぐのところに大衆食堂が二つ並んでいました)に行き、絵を描きました。私がベンチに座っているとちょっとこわそうなオジサンがやってきて話しかけてきました。すごく面白いやり取りがあり、最後にオジサンは涙を拭いながら去っていくことになるのですが、その話はまた別の機会にでも。

 とにかくそうやって一生懸命写生した絵を学校に持っていったのですが、何とやり直しになってしまいました。
 理由は「どこにも地下鉄が描かれていないから」でした。私は不満でしたよ。確かに先生は「地下鉄の駅に行って写生してきなさい」とおっしゃっただけで、地下鉄そのものを描きなさいとはおっしゃらなかった。まあ、ほとんどのクラスメートの絵には地下鉄の車輌が描かれていましたが、幼い私にとって地下鉄の駅といえば構内の人の流れがすべてだったのです。

 どこに焦点をあてるかということで、人生は大きく変わってきてしまうものです。国語の勉強もそうです。一つの文章を読む。作者が伝えたがっているところを深く洞察してやるぞという意志、文章のなかに自分が知らない語彙や概念がどれだけ入っているかなという好奇心、そしてせっかく学んだことは自分のなかに教養としてどんどん貯めていこうという積極性ですね。そういう心構えがとても大切だと思います。
 漫然と読んだ、あるいはいやいや読み飛ばしたではいけないわけですね。丁寧に勉強するというのはそういう意味なのです。
Tags :
中学生
高校生
高校受験
ソーシャルブックマーク:

この記事へのコメント

印は入力必須項目です。
※ログインしていると自動的に名前が挿入されます。

名前
URL
Mail
コメント
画像

画像認証 :

※表示されている数字を半角で入力してください。

 

トラックバックURL

トラックバックURL
【トラックバックにつきまして 】
Z会ブログでは、トラックバックにスパム対策を講じております。
Z会ブログの記事へトラックバックを送信する際には、トラックバック元の記事の本文中に、トラックバック送信先の記事の「ページURL」を記載してください。「ページURL」が含まれていないトラックバックは受け付けできません。
なお、一部のブログやサービスからのトラックバックは受け付けできない場合がありますので、あらかじめご了承ください。

プロフィール

プロフィール画像
長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

カレンダー

<<   2020年04月   >>
      01 02 03 04
05 06 07 08 09 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

新着記事

月別アーカイブ