2009.12.28 11:19

 人間には誰にでも自己を表現したいという強い欲求があります。ないように見えても絶対にそれはあります。最も簡便な会話という形態であらわせない場合、他の形ーー激しい運動であるとかイラストを描くとかギターをかき鳴らすとかゲームで高得点をあげるとか、ときには粗暴な行動に出るとかーーで何とか自己を表現しようとするものです。

 保護者の方と面談していると(これは中学高校生の場合が多いです)、うちの子はほとんど家で口をききません。とくに父親と話をしなくなってしまいました。あの年ごろの子どもはみんなそんなものなのですか? というご質問をたびたび受けます。そんなものですよとお答えすることが多いのですが、勉強の出来不出来にかかわらず、そうではないーーつまり自宅でご両親と活発に意見交換している少年少女がたくさんいるのもまた事実です。

 私はせっかくの家族なのですから、可能であれば和気あいあいと楽しく話せた方が親も子も幸せではないかと思います。私自身、高校生の息子と話すのは非常に楽しみで、息子の友だちの話や趣味の話や将来の話を聞きながら(まあこういう考えならばとんでもない事件だけはしでかさないだろうな)と安心するときがあります。意見を交換しているということですね。

 人間共通の強い表現欲がありながらどうしてお子さんがご両親に(あるいはお父さまに)対して人間のいちばん手っ取り早いことばによるコミュニケーションを閉ざしてしまうようになったのかは、私は保護者側が考えるべき問題ではないかと思うのです。原因がどこにあれ、未熟な子どもの方から工夫して親子の会話を円滑におこなう努力というのはほとんど期待できないと思うからです。

 話をすると頭から否定される、恥をかかされる、場合によっては激しく叱責されるーー大人側はもっと聞き上手にならないといけないですね。聞き上手の第一歩は「その場では決して否定しない」ということではないでしょうか。彼らは話しながら自己修正をかけていく能力を持っています。「おいおい、よしてくれよ。またとんでもないことを言うもんだなあ」と穏やかに聞き続けてあげれば、自分自身で必ず微調整をかけていくものです。
 2010年は親子の会話が活発にできるようになるといいですね。それだけで大きな幸せを感じることができると思います。
Tags :
幼児・小学生
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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