2010.06.21 13:10

 年に幾度か講演会を実施させていただいています。私は話が特別上手いわけではないのですが、現場に三十年間いるということはやはり相当な経験で、戦争体験者の方が戦争の真実を語り続けなければならないと考えられるのと同じような気持ちで率直なところをお話しています。
 塾が主催する講演会というと一般的には塾に入ってください的なものになってしまいがちですが、ほとんどそういうお話は出てきません。

 勉強はしないよりはした方がいいでしょう。試験も受からないよりは受かった方がいいでしょう。ただそれはあくまでもご本人が「しっかりしている」という大前提での話です。人間がしっかりしていないと成功した事実さえが、落とし穴になることがあります。受験に合格して高いレベルの学校に進んだが故に、かえってひどいことになってしまったという例をたくさん知っています。もちろんどこからでもやり直しはききますが、できることなら妙な回り道はしない方が気持ちが楽ではないですか。

 勉強をしない方がいいケースだとか勉強する前にもっと考えておかなければいけない「宿題」が残っているケースだとかもあります。「宿題」を片づけないで、やみくもに勉強勉強と強いるのはちょっと心配ですね。
 世の中全員の方が学者さんになるわけではありません。勉強があまり好きではない方や他にやりたいことがある方もたくさんいらっしゃるわけで、その場合はどれぐらいの配分にしておくのがいいのかという問題も出てくるでしょう。

 いずれにせよ、子どもたちの生活にはさまざまなストレスがかかっています。学校に行ってクラスの仲間や先生先輩後輩との関係だけでーーとくに事件がなくてもーーへとへとになってしまう繊細な子はたくさんいます。私は自分がそういうタイプだったのでよくわかるのですが、中学高校時代みんなが何かを張り切ってやっているときに、じつは冷めているのに疎外されたくない一心で楽しそうなポーズだけ作っている自分がいやで、死んでしまいたいと思ったことさえありました。こんな気持ちはだれにもわかってもらえないだろうと思っていたのですが、この仕事についてからそんな思いをしている子どももけっこういるのだということがわかってきました。

 ご家庭が安息の場であれば救われるでしょう。どうしてもそういう話になってしまいます。残念ながら、塾の宣伝とはなかなかつながらないですね。
Tags :
幼児・小学生
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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