2010.07.07 13:40

 二十年ぐらい昔、あるビルのエレベーターのなかで寝ていたホームレスの方にお金と食べ物をあげたことがあります。「熱があるんです。ここにいさせてください」と言われ、ちょっと心配になったので近所のコンビニエンスストアーで肉まんとお茶のペットボトルを買い、エレベーターにもどってわずかなお金と一緒に渡しました。
 そのことをある人から「そんな行き当たりばったりの人助けをやっても仕方がないじゃないか」と指摘され、それもそうだなと反省(?)したことがあります。

 ところがその後、非常に尊敬している人物の本で、彼が滞在しているホテルの窓から見えるところにホームレスらしき人がいて非常に気になったので、その人のところに食べ物を届けさせたということが書かれているのを発見しました。こんなりっぱな人でもけっこう行き当たりばったりな要素はあるんだなと私は変に安心しました。
 ひょっとすると行き当たりばったりのように感じているのは我々の狭い意識だけであって、そのときその場に居合わせたのは何らかの理由があったのかもしれません。

 最近、私がときどき行く飲み屋さんで働いている女の人(六十歳すぎの方です)が病気になりました。飲み屋さんの従業員とお客というだけの関係で、その方の生活について私は全然知らないのですが、何かしてあげたいという気持ちになりました。お見舞いを渡したりするのはあちらの負担になると思ったので、私は早くよくなってくださいという自筆の手紙を書きました。
 ほかの従業員の方に「入院中のおばさん(?)に届けてください」とお願いしたのですが、あまりこういうことをするお客はいないだろうとも思い、ちょっと恥ずかしかったですよ。

 ただ、私はこの行き当たりばったりの善意についてはいまはある種の信念を持っています。偶発的に居合わせた場所で自分は自分にできる最大のことーー文章などで何かを表現することだと思っていますがーーで世の中を少しでも明るくしたいと考えています。
 私はいわゆる善人ではないですし、単純な善人になりたいと思ったことも一度もないのですが、そんな人間にも善意はあるわけで、その気持ちだけは示していこうと思っています。
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幼児・小学生
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この記事へのコメント

  • 1, 卒業生Tの母さん 2019.11.18 10:35
    長野先生 おはようございます。
    昨晩(20時25分ごろ)高校生の息子が帰宅する途中、JR新宿駅西口の改札内にて60~70歳くらいの知らない男性に「木更津に行きたいから2千円貸して。必ず返すから」と言われ貸したとの事。「寸借詐欺にあったのかも?」と彼が気づいたのは最寄りに着いてから。帰宅して落ち込んでいましたよ。
    行き当たりばったりな善意で世の中を少しでも明るくしたかったのでしょうね。ただし、金銭がらみはこれっきりにしてもらいたいですよ。
    「貸すべきでない人にはお金を貸さない」「大切な人ほどお金は貸さない」ように息子には話しておきました。
  • 2, 長野先生さん 2019.11.19 05:20
    卒業生Tの母さま

     おはようございます。
     それは災難でしたね。私も高校時代、渋谷駅近くで寸借詐欺に遭った経験があります。当時は2百円でした。行先は浅草でしたよ。ちょっと変な感想ですが、いいものを見たという印象が残っています。メガネをかけて一見実直そうな大人でした。ときどき思い出し、あの人はいまごろ何をしているだろう? と考えたりしました。

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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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