2010.04.17 19:50

 人間、どこで何と出合うかわかりません。
 昔ーー大学受験のころですねーーある模擬テストの国語の問題に萩原朔太郎の有名な詩が出ていました。問題の途中に出てきたのですが、私はその詩の内容そのものに大変な衝撃を受け、あとの問題をすべて解くのをやめたことがあります。何というかーーここまで衝撃的な芸術作品を目のあたりにして、偏差値がどうの合格可能性がどうのとこせこせするのは失礼ではないかーーといま思えば変なことを考えたものです。残った時間、ていねいに詩を書き写したりしていました。

 この経験は、自分がどういう人間であるかということを考えるいいきっかけになりました。私は結局普通の意味で大学卒業→会社に就職という人生を送らなかったわけですが、そのことに対して不安感を抱かなかったのは、仮に社会的に軽んじられたとしてもこういう人間にはこういう人間にふさわしい生き方しかできないのだという気持ちがあったからです。こういう人間というのは、つまり模擬テストの最中に詩に衝撃を受けて問題を解くのを放棄してしまうような人間ということです。

 街との出合いというのもあります。田端。ご存知ですか? 山手線の駅の一つです。この駅の周辺を十年ぐらい昔のクリスマス・イヴに明治通りの方まで一人でひたすら歩いてみたことがあります。その寂しさと言ったら! 山手線の駅なのにこれはいったいどうしたことだろうと思いました。渋谷や新宿では味わえない貴重な経験をしました。
 普通出合いというと人と人とのいわゆる「出会い」を思い浮かべます。ですが、感受性鋭く生きていると人間だけでなくいろいろなものと出合えます。油断なく数多くの出合いを重ね、豊かに生きてくださるといいと思います。
Tags :
幼児・小学生
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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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