2009.10.11 11:31

 昨日、教室である生徒と話をしていて感じたのですが、読解力というものを誤解している人が多いような気がします。重要なことですのでちょっと気がついたことを書いておきます。
 読解力をつけるために何をやったらいいですか? という質問は非常に多いですね。その「何を」というのはたいていの場合、問題集だとか参考書だとか、机の上での勉強のやり方だけを意味しています。

 しかし、本当の意味での読解力は受け取る側の人生観の深さに左右されます。その人が浅い物の見方しか出来なければ仮に問題文中のすべての言葉の意味を的確におさえたとしても浅い読み取り方しか出来ません。逆に深い物の見方が出来ればいくつかわからない単語が混じっていてもまったく問題なく深く理解することが出来るでしょう。

 一例を挙げます。たとえば近親者の死という話題が出てきたとします。そういう経験のある子とない子では全然理解の仕方が違います。近親者でなくてもたとえばペットの死を経験した子は(そうだよなあ、つらいよなあ)と体験的にわかります。また(ペットでさえあれだけ泣いたぐらいだから近親者だったらどんなに悲しいだろう)と容易に想像力を働かせることが出来ます。
 同じようにたとえば環境問題が出てきたとき、ふだんからゴミのリサイクルに取り組んでいる子は(だから自分は一生懸命リサイクル活動に励んでいるのだ)と共感を持って読むことが出来るでしょうが、まったく興味がなかったという子は(へー、そんなに大変なの)程度にしかその場では理解出来ません。

 つまり、読解力というのはふだんのあなたの生活、あなたの考えていること、あなたの体験、あなたの教養に直結しているのです。鍛えるのであれば、まずあなたという人間の器を大きく豊かにするよう鍛えていかないといけません。問題集なり参考書なりに手を出すのはその大前提をきちんと認識したあとです。

 国語はやってもやらなくても同じだという意見があります。たしかに机の上の勉強だけであればやっても伸びない時期があるかもしれません。それは人間としての器を大きくする努力を並行させていないからです。こういうことを大人はもっと子どもに伝えてあげないといけないと思います。
 文章はあなたによって受け止められます。あなたの中にその文章に感応する部分がなければ、文章側も本当の面白さをあなたに見せようとしないでしょう。どの文章に対しても鋭く対応出来る嗅覚を身をつけるように心がけてください。いろいろな意味で、大人にならないといけないですね。
Tags :
幼児・小学生
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この記事へのコメント

  • 1, キツネビームさん 2009.10.12 01:05
    お久しぶりです。まぁ春に一度伺ったのですが。いつからやってらっしゃったのでしょうか。全く知りませんでした。先生の話というとUFOとか月光の話など怪しげな話ばっかりで面白かったですね(笑)
    このページたまに覗きますね。
  • 2, 長野正毅さん 2009.10.12 09:15
    キツネビームさま

     こんにちは。この文面だけだとちょっとどなただかわからないのだが、まあいいや。
     私はこのブログのことをとくに誰にも話していないので、基本的に周囲の人は誰も知らない。そういう人種なんだな。一生こうだよ。私は。

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長野先生
35年以上、中学生を教え続けてきました。生徒たちが日々の学びを通じて大きく成長できますように明るいヒントを発信していけたらと思います。

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